聖徳太子ゆかり 播磨の古刹・鶴林寺 「沙羅の花」見納め近し コロナ禍に咲く姿に心和む | ラジトピ ラジオ関西トピックス

聖徳太子ゆかり 播磨の古刹・鶴林寺 「沙羅の花」見納め近し コロナ禍に咲く姿に心和む

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 加古川市に住むファミリーは、地元出身の夫と奈良出身の妻、小学5年の長女と1年の次男と訪れた。「緊急事態宣言が解除されて、少し肩の荷を下ろして、梅雨の晴れ間の散策ができました(妻は)法隆寺のある奈良から加古川に嫁ぎ、何かと聖徳太子との縁を感じます。娘も平家物語の『祇園精舎の鐘の声~沙羅双樹の花の色…』という一節に興味を持ち、沙羅の花を見に来ました」と話した。

「あっ、ここに咲いてる」ナツツバキ(夏椿)は古くからシャラノキ、サラノキ(沙羅双樹・婆羅樹)と呼ばれる
「あっ、ここに咲いてる」ナツツバキ(夏椿)は古くからシャラノキ、サラノキ(沙羅双樹・婆羅樹)と呼ばれる

 鶴林寺の茂渡俊慶(しげと・しゅんけい)住職は「前年度からの比較では、ご参拝に来られる方が約4割減。観光バスが1台も来ない日が続いています。沙羅の花をめでる方も例年の半数です。鶴林寺では7月いっぱいまでは公式の行事は中止、それ以降はコロナ感染の状況をみながら判断します。聖火リレー、心待ちにしていただけに、取り止めになり残念で「灯が消えた」ように気持ちでしたが、6月に沙羅や菩提樹の花が芽吹き、花咲く姿を見て気持ちが和みました。境内も広いですし、「密」になることもなく緑豊かな鶴林寺で、のどかな空気を満喫できます」

三重塔と菩提樹をバックに 茂渡俊慶住職「沙羅の花は落ち込んだ心を癒してくれる」
三重塔と菩提樹をバックに 茂渡俊慶住職「沙羅の花は落ち込んだ心を癒してくれる」

 そして「仏さまは右の掌(たなごころ)を前にかざしています。これは『施無畏(せむい)』という、畏(おそ)れな無きことを施す手の印相で『何も心配はないよ』という意味です。このコロナ禍に、仏さまのこうしたメッセージを受け取っていただき、心安らかにお過ごしいただければ」と話す。

左右に侍童をしたがえて雲の上に立つ「雲中太子像」と呼ばれる聖徳太子の16歳時の姿は、鶴林寺・宝物館に(写真は本堂)
沙羅の見ごろは6月いっぱいか今年は早咲きだったという
沙羅の見ごろは6月いっぱいか 今年は早咲きだったという

《刀田山・鶴林寺(とたさん・かくりんじ)》
JR加古川市加古川町北在家。加古川駅から徒歩25分。山陽電車・尾上の松駅から徒歩20分(山陽電車・浜の宮駅経由で加古川市内を縦貫するコミュニティーバス「かこバス」もある)入山料・大人500円。8時半~17時(受け付け16時半まで)。

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