がん治療による脱毛など、外見の変化で社会参加への不安を持つ人を支援しようと、神戸市は4月1日から、ウィッグ等の補正具購入費などの支援をする「がん患者アピアランスサポート事業」をスタートした。
神戸市は2014(平成26)年に神戸市がん対策推進条例を制定。がんの予防から教育、早期発見に向けた検診や治療に関する条例を策定し、支援の充実を図っている。そのなかでの新たな支援策になる。
アピアランス(Appearance)とは広く「外見」を示す言葉。がん治療では、抗がん剤や放射線治療の影響による脱毛、手術による乳房切除など外見に変化が起こることがある。それによって、中には通学や仕事を続けることに影響が生じたり、躊躇するなど、日常生活において支障をきたしているという声も多いという。また、治療費にかかる費用に加えて、ウィッグ等の補正具の購入費などが、経済的にも負担となっている人もいる。アピアランスサポートは、そんな外見の変化による、様々な悩みを抱える人を支えるための取り組みだ。
神戸市が行う「がん患者アピアランスサポート事業」では、ウィッグ等の毛付き帽子、医療用帽子、装着時に皮膚を保護するネットなどの購入費に対し、上限5万円の助成。また乳房補正具では、人工乳房に上限5万円か、補正下着に上限1万円の助成を行う。
神戸市に住民票があるなどの条件を満たした人は支援が受けられ、また、現在がんと診断され治療を受けている人の他に、過去に治療を受け、今年の4月1日以降に対象のものを購入した人も助成対象となる。
6月15日から申請受付が始まり、多くの問い合わせや相談、窓口への申請があるという。神戸市健康局健康企画課の森井文恵さんは「多くのがん患者の皆さんの社会参加へ向けてサポートしていきたい。学業や仕事などへの前向きな参加は、生活の資の向上にもつながるので、アピアランスサポートを通して一緒に応援しながら目指していきたい」と話す。
申請方法は「神戸市がん患者 アピアランスサポート」のホームページに記載。または、神戸市健康局健康企画課 アピアランスサポート事業担当、電話078-322-0174まで。
また、神戸市は、がんの予防や早期発見のための「がん検診」の助成も実施。胃・肺・大腸・子宮・乳がんなどのがん検診が2,000円 以下で受診できる。詳細は神戸市けんしん案内センター(兵庫県予防医学協会内) 、電話078-262-1163まで。
【神戸市がん患者アピアランスサポート事業(神戸市HPより)】
【神戸市広報紙「KOBE」2021年(令和3年)6月号より】
【『サンデー神戸』番組HP】