実はこうした読み方は「慣用表現(実際のものとは異なるが、世間一般に用いられている表現)」や「類推読み(字の旁〈つくり〉からそうではないだろうかと判断する読み方)」と言われていて、他にも山ほどあります。
以下、カッコ内は、最初が本来の読み方です。
重用(ちょうよう、じゅうよう)、出生(しゅっしょう、しゅっせい)、依存(いそん、いぞん)、世論(よろん、せろん)、御用達(ごようたつ、ごようたし)、山茶花(さんざか・さんさか、さざんか)、垂涎(すいえん、すいぜん)……。
たくさんの言葉が本来の読みとは異なっていることに改めて驚きました。もともとは誤読や読みやすさから変化したと考えられます。
言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化します。……と、いつも言っていますが、これだけ変化すると大変です。親子や世代によって読み方が違う、などということがあるのかもしれませんね。
「ことばコトバ」では、こうした言葉の楽しさを紹介していきます。
(「ことばコトバ」第8回 ラジオ関西アナウンサー・林真一郎)