そして最も興味深いのが、年齢層による違いです。本来の意味の「結論が出る」と考える最も少ない世代は、16歳から19歳で16.3%。逆に「結論が出せない」と考える同じ年齢層の割合は76.3%でした。
ところが、40歳を境にこれが逆転。50代以上では73~77%ほどの人が「結論が出る」派で、「出ない」派は16.2%と、若い世代と比べると、ほぼ正反対の結果でした。
どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。上記の文化庁の調査には一例として「物事がうまく運ばない状態を意味する『行き詰まる』という言葉の影響を受けていることなどが考えられます。」などと、あります。
なぜそうなったのか。理由は大事ですが、それ以上に大事なのが「世代間の勘違いを生む」という問題です。たとえばこんな会話。
【年齢が上の世代】この前の企画、どうなった?
【若い世代】だいぶ煮詰まっています
【上の世代】そうか、わかった
若い世代は答えに行き詰まっているのに、上の世代はまもなく結論が出ると思ってしまう……こんなことは十分あり得る話です。
皆さんも、「煮詰まる」という言葉を使う際は、事前に必ずどちらの意味なのか、確認することをおすすめします。
とはいえ、言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化しますので、今後出版される辞書には「煮詰まる」の意味が両方とも載る日が来て、世代間での勘違いなどはなくなるのかもしれません。でもそうなると、またややこしくなってしまう。あぁ、悩ましい……。