「4」と「7」、「9」もですね。
「4」は、本来の読み方は「し」です。では、これを「階」の前につけてみると「しかい」。死海? 視界? 司会? 何となく「死」を連想する方や、違う言葉と捉える人もいるかもしれません。そうしたさまざまな理由があって、「『よん』かい」と変わっていったようです。
ただ、現代では若い方を中心に「さんかい」と言う方もかなり増えています。今後は辞書に、注釈つきなどで紹介される可能性は否定できません。
余談ですが、私たちアナウンサーは「よん」と「し」を使い分けることがあります。聞いている人たちに、よりわかりやすく伝えるとともに、聞き間違いを避けるためです。でも、言い換えてはいけない場合があります。
赤穂義士は「四十七士=しじゅうしちし」、映画『二十四の瞳』は「にじゅうしのひとみ」のように、地名や固有名詞などは、勝手に変えることができません。
言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化します……が、変わらないものや、変えてはいけないものがたくさんあります。「ことばコトバ」では、こうした言葉の楽しさを紹介していきます。
(「ことばコトバ」第10回 ラジオ関西アナウンサー・林真一郎)