楊琳は「とにかく新しいものを取り入れたい」という思いから、総合プロデュースの平澤氏に「全場面に出たい」とリクエストし、本人の希望通りに1部2部とも全場面に登場。スーパースターマンに憧れるサラリーマンをコミカルに演じ切ったのをはじめ、このステージから新トップスターとしての新たな一歩を踏み出した楊琳からは、今後も目が離せない。
なお、「レビュー夏のおどり」東京公演は、8月5日から8日まで、新橋演舞場で開催される予定。
【OSK日本歌劇団とは】
大阪松竹座の開場に合わせ、新たなジャンルの興行を模索していた松竹創業者・白井松次郎により1922(大正12)年4月に「松竹楽劇部」として大阪に誕生。その後、宝塚歌劇団・姉妹劇団の松竹歌劇団(SKD/1928~1996)とともに日本三大少女歌劇団として日本のレビュー文化を牽引。笠置シヅ子、京マチ子、秋月恵美子などのスターを輩出した。なかでもスピード感あふれるラインダンスは“ロケット”とも称され「ダンスのOSK」の象徴として今に受け継がれている。2022年に劇団創立100年を迎える。
【心をひとつにする、テーマソング「桜咲く国」】
テーマソングである「桜咲く国」は、1930(昭和5)年、大阪松竹座の「春のおどり さくら」で初披露された。その後OSKだけでなく姉妹歌劇団SKDでも歌われ、長年に渡り愛され続けている。フィナーレでは「桜パラソル」と呼ばれる傘を使ったフォーメーションで舞台と客席がひとつになる。胸躍り、心ときめくOSK。満開の桜のレビュー、劇場に咲き誇る。
編集協力=OSK日本歌劇団
取材・文=黒川良彦