ディランやスプリングスティーンらにも影響 “若者たちの永遠のバイブル”「On The Road」の研究成果を一堂に | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ディランやスプリングスティーンらにも影響 “若者たちの永遠のバイブル”「On The Road」の研究成果を一堂に

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“若者たちの永遠のバイブル”と言われる小説「On The Road」を代表作に持つ、小説家・詩人のジャック・ケルアック。彼とその周辺の作家たちに焦点を当てた特別展「ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』とビート・ジェネレーション 書物からみるカウンターカルチャーの系譜」が、神戸市灘区のBBプラザ美術館で開催されている。2021年8月8日まで。

 アメリカ・マサチューセッツ州生まれのジャック・ケルアックは、1947年、ヒッチハイクによるアメリカ大陸横断の旅を始めた。その旅の体験をもとにした自伝小説「On The Road」が1957年に出版されると、多くの若者がバックパックを背負って旅に出るなど大きな反響を呼ぶ。また、文学の枠を超え、ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーンなど多くのミュージシャンや、ロードムービーに欠かせない映画監督らにも影響を与えたとされる。

 特別展では、ケルアックのすべての著書の初版本や、ケルアック周辺のビート・ジェネレーションと呼ばれる作家たちの貴重な本などおよそ380点を展示する。

 なかでも目を引くのは、ケルアックが旅の後、21日間にわたって打ち続けて書き上げたと言われる「On The Road」のスクロール原稿を再現したもの。当時はタイプライターだったたため、その長さは36メートルにもなるという。

 改行もなく思うがままに言葉を綴ったとされるが、すべてを広げて展示することはできないため、見ることができるのは冒頭12メートル。残りは巻かれた状態になっている。また、破れたと思われる部分もあり、これはケルアックが原稿を出版社に持ち込む際、無造作にくるくると丸め持ち歩いていたためとみられる。

 特別展の監修を務め、ケルアックの研究を進める神戸市外国語大学のマシュー・セアドー教授は、「『On The Road』という小説は人々のライフスタイルを変えた。偉大な作家になるという野望を持ち、出版から10年ほどで亡くなったが、伝説的なアイコンとなった」と話す。


◆ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』とビート・ジェネレーション 書物からみるカウンターカルチャーの系譜
会期 2021年7月3日(土)〜8月8日(日)
会場 BBプラザ美術館(神戸市灘区・BBプラザ2階)
休館日 月曜
【BBプラザ美術館 HP】

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