神戸大倉山・楠寺瑠璃光苑の住職「ラピス和尚」さんが、ラジオ番組を通じて、楽しい仏教うんちくを届けています。日頃なにげなく使っている言葉が、思いもよらない“ふか~い”意味を持っていることも。
今回の辻説法は、とあるお寺の前にありました掲示板からの言葉です。
『俺はキムタクにはなれないが、キムタクも俺にはなれない』
そりゃそうだ。
わかってはいるものの、ついつい「もし自分がキムタクみたいにかっこよかったら……」と想像してしまったことはないでしょうか。
もちろんみなさんご存じでしょうが、キムタクこと木村拓哉さんは、唯一無二の存在として30年以上トップスターの座で輝き続けています。誰もが憧れても無理はありません!
しかし、キムタクはキムタク。誰もキムタクにはなれません。そして、大切なことは誰もあなたにはなれないということなのです。
ここで和尚に教えていただいた禅の言葉は、「不二」。文字通り、二つではないという意味です。
ここで登場する「二」は、「善と悪」のように、相反する二つの面のことを指します。表からみるのと、裏からみるのでは景色が違うこともあります。しかし「表裏一体」とはこれ如何に! 二つではないじゃないか!! ということで「不二」とは、二つに見えるけど実際は、ひとつ。ひろーい心で見ると、俺もキムタクも「今を生きている俺たち」ということで……。
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