10代の女性の間で流行中の、証明写真機を利用して友人同士で記念撮影をする「証明写真プリ」。「盛れないことが逆にエモい」と注目されているが、証明写真機メーカーはどうみているのか?
全国に約1万台を設置する、証明写真機の国内トップシェア企業「DNPフォトイメージングジャパン」企画部の山本さんに聞いてみた。
「プリクラのような楽しみ方で、おひとりから2〜3名で撮影されるケースがあることは認識しています。基本はひとりで顔写真を撮影する機械ですが、特に10代の証明写真機をあまり使用したことがないユーザーにとっては、新しい体験として楽しんでいただいている印象です」(山本さん)
特に、全国に7000台以上を設置する国内最多の主力機種「Ki-Re-i」では、追加料金を支払えば撮影データをダウンロードできる機能も。紙とデータの両方の機能を使ってシェアする、といった「アナログ感とデジタル技術のいいとこ取り」のような使い方をできることも好評なのでは?と推測しているそう。
それでは、「証明写真プリ」をさらに「エモく」撮影するにはどうすればよいのだろうか?
「『証明写真プリ』という形で一番きれいに撮影するポイントは、2人までで撮影することです。ひとりは椅子に座って、ひとりは機械の外に立ち、室内に上半身を乗り入れるようにして撮るのがベストではないかと思います」(山本さん)
証明写真機「Ki-Re-i」では、仕上がった写真を公的な書類などに貼ることを想定し、はっきりとした明るい印象に仕上げるため、「光の加減」にこだわっているそう。機械の中には、天井に2つ、椅子の下に1つ、足元に2つと、計5つのストロボを設置し、壁は照明を反射しやすい白色で統一している。この光の反射をいかに効果的に使うかが撮影のキモになるため、とにかくストロボを隠してしまわないような立ち位置を確保することが大切なんだとか。
「はじめて証明写真機の中に入るのは、なかなか勇気がいるもの。今後、就職活動などで証明写真が必要になる若者の皆さんにとって、『証明写真プリ』という体験が、気軽に証明写真機を使用するきっかけになるとうれしいです」(山本さん)