美しい里山風景の中で季節を感じ、草花や田んぼ、そこに生きる生き物たちとのふれあいを体験できるのが、神戸市北区にある「国営明石海峡公園神戸地区あいな里山公園」だ。
「里地里山文化公園」をコンセプトに、地域の里地里山の景観を保全再生。大都市近郊で誰もが気軽に里地里山文化を体験できる公園として、2016(平成28)年5月28日に第1期開園を迎えた、あいな里山公園。園内では、棚田や水田、畑、蓮田が広がる谷間、移築された茅葺き民家、茅葺きの農村舞台を再現。農業体験や伝統芸能などのさまざまなイベントも開催している。
同園では毎年5月末頃から田植えが始まり、6月上旬に田植えが終了。今年はキヌヒカリと酒米、もち米が植えられた。田んぼの水は年中抜かないため、カエルやメダカなどいろいろな生き物も住みつく。これからの夏、蓮の花や、桔梗なども色づき、ウサギやキジが見られることもあるという。
自然環境が整備された同園は、映画「るろうに剣心」シリーズの完結編2部作のロケ地にもなった。園内の里山交流館では現在、「るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning 写真展 in あいな里山公園」を開催中。劇中のシーンや撮影の様子のパネル展示などが行っている(2021年8月末までの予定、9月以降は映画上映状況に応じて開催を判断するとのこと)。
また、7月には、園内の、田植えが終わったばかりのみずみずしい田んぼと蛍の住む池の近くで、神戸で活躍するピアニスト、天宮遥さんが演奏風景を撮影。その動画が同園の公式YouTubeチャンネルで公開されている。演奏曲目はベートーヴェンの交響曲第6番「田園」と「かえるの合唱」で、自然のパワーが感じられる癒しの田園風景を、ピアノの音色と一緒に楽しめる内容になっている。動画内では、撮影時にちょうど見頃を迎えたユリ科のササユリ(笹百合)や、あいな里山公園の自然がおりなす写真映えスポットなども見られる。
あいな里山公園の久田祐樹さんは「自然の中に咲く、昔ながらの風景でいろんな植物を楽しんでほしい。園内は広くゆっくり散歩もできるので、自分の目でいろんな生き物や植物を探して楽しんでほしい」と話す。同園では8月に竹細工で船を作るイベントや「あいな里山 源平水てっぽう合戦!」などを予定。公式ホームページから申し込みが可能だ。
■あいな里山公園 | 国営明石海峡公園神戸地区
神戸市北区山田町藍那字田代
電話 078-591-8000
【公式HP】