「“カジキマグロ”という魚は存在しません」 大物釣り専門店に聞く「カジキ釣り」のロマンと魅力 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「“カジキマグロ”という魚は存在しません」 大物釣り専門店に聞く「カジキ釣り」のロマンと魅力

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 釣りにもいろいろな種類があるが、なかには、カジキのような大物釣りに憧れを持つ人もいるだろう。ボートを使うなど、ハードルが高そうだと感じるかもしれない大物釣りだが、実際のところはどうなのか。大物釣り(スポーツフィッシング)に特化した商品とボート用品を専門に扱っているマリンショップ「トップウォータータックルズ」(神戸・六甲アイランド)部長の油野功一さんに話を聞いた。

写真提供:トップウォータータックルズ

「カジキは、今のような夏の時期は(関西だと)和歌山で釣ることができます。沖縄では3月くらいからシーズンが始まっていて、和歌山は6月から10月くらいまで。カジキは黒潮とともに北上するので、茨城県・大洗では8月から12月くらいまでがシーズンです」(油野さん)

 ちなみに、“カジキマグロ”という言い方を耳にすることもあるが、実は“カジキマグロ”は存在しない。「カジキ」と「マグロ」は別種の魚で、マグロはサバ科、カジキはメカジキ科と全く違う。カジキは獰猛(どうもう)な性格で気性が荒く、サメも近づかないほどだという。そして、なんとも不思議な習性がある。

「カジキは死ぬ瞬間に体の色が変わるんです。クロカワカジキはブルーマリーンと呼ばれていて、死ぬ瞬間に鮮やかな青色になるのでそう呼ばれます。死んだら体が真っ白になるシロカジキもいて、通常は黒色なのでブラックマリーンと呼ばれています。何故、そのように体の色が変わるのかは解明されていませんが、目の前で見ると感動しますよ」

写真提供:トップウォータータックルズ

 そう語る油野さんは、カジキ釣りの魅力について、次のように続ける。

「そう簡単に釣れるものではないですが、カジキがヒットしてリールから糸がどんどん出ていく音が聞こえると、ゾクゾクします。100キロ超えのカジキを釣ったことがあり、ヒットしてから釣り上げるまでに1時間ほど格闘しました。海の上で自分の体よりも大きな相手を釣り上げるのは“男のロマン”を感じますね。釣り上げたときの快感は何物にも代えがたいです」

 カジキをヒットさせるために重要になるのは、ルアー選び。エサとなる魚の色に合わせてルアーを決める必要があるという。シーズンや時間帯、水流など様々な条件で何を食べるかが変わっていくので、今の時期はどういうものなら釣りやすいのかを顧客に提案できるよう、油野さんたちは自分たちでテストを重ねる。釣れた場合には同店のブログで紹介し、その見識を広めている。

 また、100キロを超えるようなカジキを釣り上げるとなると、腕の力だけでは到底できないと油野さんはいう。その際には「ファイティングチェア」という専用のイスに座って、体全体で引っ張っていくとのこと。こうしたボート用品は、なかなか店頭に置かれていないので、ネットで購入する人が多いようだが、トップウォータータックルズでは、こうした専用のイスも揃えている。実際に座るなど体験して購入できるのも強みの1つだという。


【TOPWATER TACKLE,s HP】

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