日本製にこだわり、移り変わる流行や使うシーンに左右されない高品質な腕時計を追求するブランド「KNIS」(ニス)がこのほど、京都で産声を上げた。同ブランドを手掛ける株式会社LIME(京都市中京区)の新井敬介社長(37)は、「皆があっと驚く『一癖、二癖あるもの』を出したい。京都から世界を目指す」と意気込んでいる。
同ブランドが第一弾としてリリースしたのが、「メテオライト」(宇宙から地球に飛来した隕石)を文字盤に使った機械式のモデル。メテオライトは、美しく神秘的な網目模様(ウィドマンシュテッテン構造)を観察できるのが魅力で、地球上では再現できないことが化学的に解明されているという。宇宙空間で、約100万年以上の年月をかけて作られるため、一つとして同じ模様はなく、希少価値が極めて高い材質だ。
メテオライト文字盤を使用した腕時計は様々なブランドに存在するが、その価格帯は数十万円から数百万円までと幅広く、一般的に非常に高額である。しかし、KNISでは品質にこだわりながらも10万円を切る価格を実現した。新井さんによると、「自社で企画から生産、販売までを一貫して行い、インターネット販売の形態をとることで、品質を保ったまま最良な価格で提供できる」という。商品の特徴を以下に記す。
■日本製の機械式ムーブメントを搭載、組み立ても国内で
ムーブメント(内部の機械)には日本のシチズン・MIYOTA製を搭載。精度と信頼性には定評があり、万が一不具合が起きた場合もパーツの確保がしやすいメリットがある。また、風防はいわゆるスイス製の高級時計などにも用いられるサファイアガラスで、透明感に優れ文字盤の視認性がよく、傷に強いなどの特徴を持つ。これらを収めるケースも独自にデザインされたもので、新井さんは「特に高級感のある、美しい横顔にこだわった」と制作過程を振り返る。腕時計の組み立ても日本国内で行っているという。
■ケースサイズは絶妙な「38mm」、ビジネスにもカジュアルにも合う万能な一本
ケース径は日本人の腕に合うよう、38mmとした。新井さんは、「特に、海外のブランドにはビッグフェイスのモデルが多く、大きいな、と感じていました。日本人に向けてのモノづくりを目指す中で、大きすぎず小さすぎない、絶妙なサイズ感を意識しました」と話す。またシンプルなデザインを追求したことで、ビジネスシーンにもカジュアルなスタイルにも溶け込む一本に仕上がった。グレーのダイアルに浮かぶ、立体感のある幾何学模様はあるときは上品に、ある時は武骨に腕元を演出する。また、曜日を示す小窓を設けないことで左右対称性が高まり、メテオライト文字盤の美しさが最大限生かされている。