打った打球も、速い速い! 守るのも大変です。3メートルほど短く守っていますと、ライナー性の強烈な打球は内野の間を抜けるのも速いので、その守備位置ではすぐにヒットに。その状況をみて、試合が進むにつれ、従来の守備位置近くに戻して守っていましたね。
3メートル短いからピッチャーが有利かと思いきや、検証試合ではバッターも打つ打つ! スピードボールは目が慣れたら打ちやすいみたいで、ヒットを量産。しかも、そのヒットは、塁間が狭いから、走者が走る走る! 本来のヒットが二塁打になったり、三塁打コースがランニングホームランになったりと、ゲームがやたらと動きます。打ち合い、打ち合いの展開で、点数がドンドン入り、終わってみれば、圧倒的に打者有利でゲームセットに。
試合後、選手に話を聞きました。「3メートル短い野球は、やっていておもしろいですね。打って、走って、点数が入る。守備では速い打球を飛びついて取りに行くなど、スリリングで大胆に、野球をやっている感じがしました」。
一方のピッチャーも決して悲観はしていません。「バンバン、ストレートの速球で力勝負するのがピッチングの醍醐味と感じました。フォアボールでの自滅って、一番面白くないですからね。そんなんで負けるより、力勝負で撃たれて負ける方が、あきらめもつきますよ」。
今回、検証試合に出場した選手、ほぼ全員に聞きましたが、3メートル短い野球はやっていて楽しかったとの回答が返ってきました。
今や、いろいろなスポーツのルールも変わってきたり、なかにはフィールドの大きさや人数も変えることで、新たなスポーツも生まれてきています。そのなかで、今回の検証では、サッカーのフットサルやバスケットの3x3のように、野球も新たな競技スタイルが生まれるかもしれないと感じました。
(『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)