東京五輪の女子サッカーは6日夜に決勝が行われ、PK戦の末にカナダ女子代表がスウェーデン女子代表との激闘を制し、初優勝を果たした。
今回の五輪では初戦でカナダに引き分け、準々決勝でスウェーデンに敗れた日本女子代表「なでしこジャパン」。その東京五輪の戦いや、ベスト8のスウェーデン女子代表戦を、女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサ応援ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)8月2日放送回で振り返った。番組パーソナリティーは、近藤岳登(元Jリーガー)と赤﨑夏実(INAC神戸応援大使)。
7月30日、埼玉スタジアム2002で行われた準々決勝で、なでしこジャパンは、開始7分でスウェーデンに先手を奪われ、いきなりビハインドの展開に。それでも、23分には長谷川唯選手の右クロスから田中美南選手が左足であわせて、一度は試合を振り出しに戻す。しかし、後半12分に失点すると、その後もPKを決められ、1-3で終了。2大会ぶりの五輪で、自国開催の今回は、ベスト8で涙をのんだ。
スウェーデン戦を回顧したなか、「予選(グループリーグ)から対応の甘さが見られたが、そのまま(準々決勝でも)いってしまった感じ。スウェーデンは特に、クロスから中にいる選手がヘディングであわせるという戦いが徹底されていたが、そのときの中に上げられる前の対応が甘いと感じた。クロスをあげられる数が半端なかった……」と、サイドバック経験のある近藤はサイド対応での課題を指摘。
スウェーデンの決勝点につながった、清水梨紗選手がスティナ・ブラクステニウス選手に裏をとられたシーンについては、それまで清水選手が運動量豊富に奮闘していただけに、「五輪の舞台は集中を切らすことができないと痛感した」「『あの時……』とずっと忘れられないと1本になったと思うし、清水選手としても相当悔やまれるプレーになったのでは」と、近藤はなでしこ右サイドバックの思いを代弁。ただ、「(前半からの)相手の再三のクロスが(決勝点の)布石になっていたと思う。すべてがスウェーデンのペースで進んでいた」と、相手の戦いのうまさにも脱帽していた。
一方で、なでしこ唯一の得点シーンをスタジオでは絶賛。「GKもDFも出られない、そのDFの後ろにいる田中選手だけが触ることのできる、長谷川選手の素晴らしいアーリークロスだった」「あそこできっちり決める田中選手の強い思いも感じた」「高さの中途半端な難しいボールによく合わせた、田中選手のFWとしてのスキルが素晴らしかった」。敗れはしたものの、この五輪にひときわ強い思いを持っていたストライカーのゴールは、チームを勇気づけ、未来につながるものとなったはずだ。
番組ではリスナーからのメッセージも紹介。そのなかで「残り5分の選手交代が解せない」という意見も寄せられた。この件に関して近藤は、「監督は結果がすべてなので批判されることは仕方ない」としつつも、「『私を出せば勝てますよ』というオーラがあって、負けているときにテンションが上がるような選手が出てくるといいな」と試合の空気を変えられる選手の出現に期待した。
9月12日には女子サッカー初のプロリーグ、WEリーグが開幕するが、「『今回のオリンピックで悔しい思いをしたからこそ、私たちはWEリーグにその思いをぶつける、すべてを懸ける』という思いで、WEリーグに移行してほしいな」と思いを述べた近藤。