気分は姫君の中の姫君─「千姫」の体験用衣裳、市民団体「姫路城を守る会」が姫路市に寄贈 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

気分は姫君の中の姫君─「千姫」の体験用衣裳、市民団体「姫路城を守る会」が姫路市に寄贈

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 地域資源(文化財)を単に見学するだけでなく、その背景にある歴史や物語を実際に体感・体験してもらうことで人々の文化財を守り継ぐ意識を醸成していこうという文化庁の補助事業「Living History(生きた歴史体感プログラム)」。その取り組みを行う兵庫県姫路市に、「事業の推進と姫路の魅力発信に役立ててもらいたい」と、市民団体「姫路城を守る会」(米田徳夫会長、約400人)が、姫路城を代表する姫君「千姫」の体験用衣裳2領を寄贈した。

 千姫は、祖父が徳川家康の孫、父は2代将軍秀忠、母は織田家の血を引くお江だとあって、姫君の中の姫君と称された女性。7歳で豊臣秀頼に嫁いだが大坂夏の陣で死別、その後、本多忠政の嫡男・忠刻と再婚して姫路城で約10年過ごし、領民から敬愛された。姫路城には千姫が西の丸から西方の男山天満宮を遙拝する際に休息所として利用したと伝わる化粧櫓が残る。

 姫路市はアフターコロナに姫路城へのマイクロツーリズム(短距離旅行)を振興するため、文化庁の補助を活用して昨年に千姫の着物や大名行列の衣装・調度品を復元。着物は今秋から化粧櫓で展示、大名行列は11月開催予定のお城まつりで再現する計画にしている。今回寄贈の体験用衣装はこの着物のレプリカで、市の計画を知った姫路城を守る会が観光客に姫君の気分を味わってもらおうと制作を申し入れたもの。

 制作したのは、藤の花を描いた小袖と三葉葵紋を散らして裾にあやめをあしらった打掛の2領で、千姫の墓がある弘経寺(茨城県常総市)が所蔵する「千姫姿絵」を参考にした。制作費は約240万円。

千姫の体験用衣裳(左が打掛、右が小袖)

 寄贈式はこのほど城内迎賓館で行われ、姫路市の清元秀泰市長が「城下町姫路を愛する次世代を育成していくためにも大切に使わせていただく」と米田会長に感謝状を手渡した。(播磨時報社)

姫路市に千姫の体験用着物を贈った姫路城を守る会の米田徳夫会長(左)と清元秀泰市長

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