8月24日に開幕する東京パラリンピックの聖火の採火式が兵庫県でも始まり、神戸市中央区の三宮・東遊園地にある「1.17希望の灯り」からも分灯された。
採火式には、兵庫県三木市出身で、アテネパラリンピック(2004)の4×400メートルリレー銅メダリストの永尾嘉章さんがゲストとして参加。新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客の中、26年前の大震災の鎮魂と慰霊の火をランタンで受け取った。
永尾さんはパラリンピックに1988年のソウル大会から2016年のリオデジャネイロ大会まで日本人最多の7度出場するなど、2017年に引退するまでパラ陸上の短距離界を約30年間にわたって引っ張ってきた「パラ陸上の鉄人」。
分けられた火を受け取った永尾さんは「自分もこれまで7個の聖火を見てきたが、毎回「やってやるぞ」という気持ちになった。今回参加する選手たちも、鎮魂の灯も加わった聖火を見て気持ちを高めてくれるはず」とあいさつ。
「障がい者が限界に挑戦する姿を通じて、新たな一歩を踏み出す気持ちを受け取ってもらいたい。自国開催のパラリンピック、選手たちを全力で応援してほしい」と語りかけた。
兵庫県内での東京パラリンピックの採火式は15日も各地で行われ、16日、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場(神戸市須磨区)で一つの「兵庫県の火」となり、東京に届けられる。
なお神戸市では2022年8月、東アジアで初めてのパラ陸上世界選手権大会(神戸2022世界パラ陸上競技選手権大会)が予定されている。
採火式に参加した神戸市の小原一徳・副市長は「きょう分けた灯が、共生社会を照らす灯になってほしい。来年の神戸パラ陸上世界大会をきっかけに、神戸でインクルーシヴなまちづくりをさらに進めたい」と意気込みを語った。