食品に封入される「レア」 気づかれなくていいんだけど…企業の遊び心の本音 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

食品に封入される「レア」 気づかれなくていいんだけど…企業の遊び心の本音

LINEで送る

この記事の写真を見る(3枚)

 食品について、時々通常の形と異なる「レア」と言われるものが封入されていたりすることをご存じだろうか?

 工程上でのミスではなく、製造会社が「商品を食べる際に楽しんでいただこう」という遊び心などで行われているもの。有名な具体例では、森永乳業のアイスクリーム「ピノ」で星の形やハートの形のアイスがまれに出現するだったりする。これは一定の割合で入っており、“見つけるとハッピーになれる”と言われることも(?!)

 兵庫県たつの市に本社をかまえる食品メーカーのブンセン株式会社では、商品内に「レア」を作って封入してみたが、思わぬリアクションだったという。

 同社は主力商品の塩ふき昆布「塩っぺ」が発売60年を迎えたことで、何かできないかと社内で検討。「単に増量キャンペーンを行うだけでは面白くない、何か楽しいことを」ということで一部商品内にハート型の塩ふき昆布を入れることにした。

 しかし販売から期待していたリアクションは、取材時点で、SNSで2件、電話問い合わせ1件のみ。ハートの形の「レア」を入れたことは全くアナウンスしておらず、リアクションの自然発生を期待していた同社総務部の髙島さんは「シビアにやりすぎた」と話す。

 それでも、同社代表取締役社長の田中智樹さんは「気づかれなくてもいい」と前向き。実際、今回のキャンペーンについて「ハート型の昆布は手作業で一つずつ型を抜いて混ぜた」と生産上の苦労もあったというが、「企業が遊び心を持つことが大事」と、当初の目的を再認識。とはいえ、ハート型が封入されている商品を社長自らが取引先に渡して、反応を期待したが、なかったときは少し落ち込んだことも明かしていた。

 遊び心からスタートしたこのキャンペーン、田中さんはもう一つの秘密もこっそり打ち明ける。

「実は、パッケージの『愛されて60年』もあえてハート型にして『ハート型のレア』の封入を匂わせているんです」


【ブンセン 公式HP】

LINEで送る

関連記事