佐野元春の「悲しきレイディオ」(2ndアルバム「Heart Beat」より/1981)。この曲では『ジーン・ビンセント チャック・ベリー リトル・リチャード バディ・ホリー』と往年のロックンロールレジェンドたちの名前が次々と登場しています。
ラジオ全盛期といわれる70年代~80年代、海外ミュージック=洋楽を誰よりも早くキャッチする方法と言えば、ラジオでした。ラジオを聴く子がクラスでもカッコよかった時代を物語っているような、そんなフレーズの一例と言えますね。
〇曲を彩るラジオならではのワードたち
普段なかなか歌詞には使われないようなワードが、「ラジオ」タイトル曲には組み込まれています。
JUDY AND MARYの「RADIO」(4thシングル「Hello! Orange Sunshine/RADIO」より/1994)でも冒頭から『恋は電波にノッテ』の“電波”、そして途中の『RADIOのボリュームを上げて』と“ボリューム”も、ラジオならではのワードといえますね。
その他にも、前出のクリープハイプの「ラジオ」では『雑音』、またスピッツの「ラジオデイズ」では『ノイズ』というフレーズが入っており、かつてラジオのチューニングがなかなかうまく入らなかった経験を思い出す人もいるのでは。
また、斉藤和義の「カーラジオ」(17thアルバム「和義」より/2013)では『リクエスト』、南佳孝の「憧れのラジオ・ガール」(5thアルバム「MONTAGE」より/1980)では『ディスクジョッキー』などの歌詞もあり、そういったラジオにまつわる言葉に触れられるのも面白いですね。
さらに、ラジオ関連のワードを使わない楽曲でも、ポルノグラフィティの「ミュージックアワー」(2000)や、Creepy Nutsの「よふかしのうた」(1stミニアルバム「よふかしのうた」より/2019)など、いかにもラジオを感じさせる音や詞などがある楽曲も。