「(前略)『なので』はもともと『断定の助動詞連体形(な)+準体助詞(の)+断定の助動詞連用形(で)』という構成で、『給料日直前なので、お金がない』のように前文末に付くのが普通であった。最近では『給料日直前だ。なので、お金がない』のように接続詞として使用されることも増えてきている。」
本来の使い方ではありませんが、こうした流れがずいぶん進んでいることが広辞苑からもわかります。
とはいえ、やはり改まった場などでの使用は、慎重であるべきだと思います。特に書き言葉(文章)では「なので」ではなく、「だから」などを使う方がいいでしょう。
そんなことをブツブツつぶやいていたら、ある番組スタッフに「もう9割くらいが 『なので』を使っているから、そっちが主流ですよ」と、言われました。
10年くらい前でしょうか。放送部の講習会で、ある高校の先生から、「(冒頭での)『なので』の使用についてどう思いますか?」と質問されました。私は「頭に独立して来るのなら、間違いです」と答えたら、先生も強く同意され、「ところが、多くの生徒が使っているんです」と困っておられました。
私たちアナウンサーも人間ですので、つい「なので」を使ってしまう人もいますが、気づいたときには指摘します。普段使っていると、放送など公の場でも出てしまうからです。少なくとも言葉を生業としている人は避けた方がいい表現です。
とはいえ、近い将来は「なので」の文頭での使用が当たり前に認められる時代が来るのかもしれませんね。
と、ここまで書いてきて、そうそう、関西にはこれに代わるちょうどよい言葉がありました。
「せやから」
これ、いかがですか?