事故物件住みます芸人、松原タニシによるラジオ番組『松原タニシの生きる』(ラジオ関西)に、認知症の医療を専門とする「しおかぜメモリークリニック」の南辰也医師が出演。精神医学の観点からリスナーの相談に回答した。
まずは「ここ数年、ひどい幻覚に困っている。自分には霊感がある気がするんですが……」という相談から。
これに対し南医師は「自分には霊感がある、霊感が強いと言う方の中には“自分に言い聞かせている”というケースが結構含まれているんです」とコメント。自分には霊感があると思い込み、無意識に自己暗示にかかってしまっている場合もあるのだとか。そして自分が知らないうちに意識が狭まり、霊的なものが「見える」というより「見に行ってしまっている」状況を生んでいるのかもしれない、と南医師は語る。
次に紹介されたのは「昔、ストーカー被害によく遭っていた」と明かすリスナーからの質問。「ストーカーされやすい人、というのはいるのでしょうか?」。
その問いに「一概には言えませんが、遭いやすい人はいると思います」という南医師。「ストーカー側の心理で考えると『こういう人だろうな、と思った相手』をストーキングするんです。どういうことかと言うと、例えば街中である女性を見て『この人はこういう生活をしているだろう』って想像するんです。そしたら、その答え合わせをしたくなる、自分の予想というか、理想通りかどうか確かめるため、のぞきたくなってしまうわけです」と考察する。
さらに、ストーカーが逆上する行為については、「あれは『自分の理想通りではなかった』ことに怒りを覚え、火種となる場合が多いんです」と、南医師。自身の理想を他者に投影し、その理想が崩れると怒りを抱く危険性もあることから「裏を返せば完璧主義とも言えます」と分析。標的にされないためには、なるべく付け入られる隙をなくすことだと話していた。
※ラジオ関西『松原タニシの生きる』2021年10月10日放送回より
◆南 辰也 医療法人社団澪標会 理事長/しおかぜメモリークリニック 診療部長。同院を19年に開院。認知症診療を中心にからだとこころの総合的な治療をおこなっている。診療科は精神科、心療内科、内科、リハビリテーション科