ところが、当時の調査からは約20年が経過しています。私個人の感覚では、以前より「耳触りがいい」と言っても、違和感はないと考える人が多くなっていると感じます。本来の「耳障り」ではなく、「耳ざわり」と平仮名での表記が増えていることも理由の1つと言えそうです。かつての国語辞典には「耳触り」=「誤用」としているものもありましたが、前出の新明解のように、今では併記しているものもあります。時代の変化とともに、言葉の多様化が進み、10年後には「耳ざわり」の使い方も大きく変化しているのかもしれません。
言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化します。「ことばコトバ」では、こうした言葉の楽しさを紹介していきます。
(「ことばコトバ」第24回 ラジオ関西アナウンサー・林 真一郎)