女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」で開幕5連勝を果たし、首位に立つ、INAC神戸レオネッサ。そのなかで、玄人をうならせるような、いぶし銀のプレーを見せている選手がいる。MF阪口萌乃選手だ。
元Jリーガーの近藤岳登とタレントの赤﨑夏実(INAC神戸広報大使)が番組パーソナリティーを務めるINAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)10月25日放送回で、阪口選手の職人技ともいえる巧みなプレーが注目された。
番組ではサポーターから「プチ情報として、蹴るのは右利きですが、投げるのは左利き」というエピソードも寄せられたなか、そんな阪口選手を近藤は「玄人が好きな(タイプの)選手。派手さはないけど超うまい!」と評する。
「(アンドレス)イニエスタ的なボールの持ち方をする。本当にサッカーIQが高くて、何が相手にとって嫌かということを良く知っている。ボールを止める、蹴る、周りを見る視野の広さが超一流なの。WEリーグ優勝のカギを握っているのは間違いなく阪口萌乃。どう使うかということがキーポイントだと思う!」と、かつてヴィッセルなどで活躍した近藤も、そのプレースタイルを絶賛し、キーマンにあげる。
神奈川県出身、横浜F・マリノスのアカデミー(プライマリー追浜)にも在籍経験のある阪口選手は、藤枝順心高校、武蔵丘短期大学を経て、2013年からアルビレックス新潟レディースでプレーし、チームの顔の1人として活躍。2018年になでしこジャパン(日本女子代表)デビューを果たし、代表では12試合1得点という実績を持つ。
2020年シーズンからINAC神戸の一員となった阪口選手。昨年はなでしこリーグ戦全18試合に出場。WEリーグになった今季も、ここまで5試合中4試合でプレーしているが、そのうち2試合は途中からの出番に。それでも、第4節AC長野パルセイロ・レディースでは流れを変える働きで勝利に貢献。第6節ノジマステラ神奈川相模原戦でも中盤を引き締め、指揮官の起用に応えた。「阪口はアタックにもいけるし、DFのところからボールを動かすこともできる選手」と、攻守のバランサー役でもある背番号8に、INAC神戸の星川敬監督も信頼を置いている。
「派手さはないものの、阪口選手は試合に出たら『私、仕事しまっせ! 職人にボールを渡しなさい』みたいな感じ(に見える)。ほんとに目立たないから、言われてプレーを見てみて『確かにうまい』と初めて気づくと思う。岳登を信じて1回試合で注目してほしい!」という近藤は、「全Jリーガーに、INAC神戸の試合を見て『誰が一番、気の利いたプレーをしているか、サッカーIQが高いと思う?』とアンケートを取ったら、俺は絶対に阪口萌乃になると思う。100パーセントそうじゃないかな」と巧みなプレーに太鼓判を押した。