「第5回目」「犯罪を犯す」「肋骨の骨」←使ってしまっていませんか? 気を付けたい「重複表現」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「第5回目」「犯罪を犯す」「肋骨の骨」←使ってしまっていませんか? 気を付けたい「重複表現」

LINEで送る

この記事の写真を見る(1枚)

 普段から放送で使う言葉や原稿には気をつけていますが、時々「しまった」と思うことがあります。それが「重複表現」。簡単に言うと、同じ意味の言葉を連ねてしまうことです。

 一例が「肋骨の骨」。「何がおかしい?」と思う人もいるかもしれませんが、「肋骨」には既に「骨」という言葉があるため、「肋骨の骨」だと「骨」を2回言うことになります。ところがふと気を抜くと、交通事故などの原稿で「きょう午後〇時頃、○○市で男性が車にはねられ、肋骨の骨を折るけがをしました」などと「やってしまう」のです。理由として考えられるのは、「肋骨」という言葉をひとつの単語と認識しまい、「骨」が2回出てくるのを見落としてしまうこと。こうした重複表現は避ける必要がありますが、特に音だけでは聞き過ごしてしまいがちです。

 こうした重複表現。実はあちこちにあふれています。

「第5回目」。これは「第」と「目」が同じ意味を持つため、重複表現です。

「後で後悔する」。これも「後悔」の意味に「後で」が含まれています。(これもよく「やってしまう」表現です。)

 他にも、「犯罪を犯す」、「事前に予約する」、「断トツの1位」、「白い白馬」、「馬から落馬」……など、数え上げればキリがありません。

 そして選挙などで使ってしまう誤った表現が「過半数を超える」。「過半数」は既に半分を過ぎています。つまり超えているわけですから、二重の意味になります。

 もうずいぶん前ですが、電車の中吊り広告を見て目が点になったことがありました。あるお店が年始の営業時間を宣伝していたのですが、その書き方が……「1月1日 元旦 正午から」。これには驚きました。なぜかというと、「1月1日=元日」、「元旦=1月1日の午前中」、「正午=午後0時(つまり昼)」。これをつなぐともはや意味がわからなくなるからです。日常で、何となく二重表現を使ってしまうことはありますが、広告に書かれていたので衝撃は大きかったですね。

 日頃何気なく使っている言葉ですが、他人事とは思わず、放送に携わる者としてこれからも気をつけます。

LINEで送る

関連記事