2019 (平成31)年3月には「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」が成立。これにより、「森林環境税」(2024年=令和6年度から課税)および「森林環境譲与税」(2019年=令和元年度から譲与)が創設されている。(林野庁ホームページより)
これらは、温室効果ガスの排出削減目標の達成や、災害の防止のために、山奥で放置されてしまっている森林の整備や、森林の整備につながる木材の利用といった取り組みを行う財源として定められたものだ。
この税金は、人工林の整備や里山の手入れ、木造施設の建設などに活用されている。兵庫県内でいえば、養父市や丹波市、香美町では人工林の間伐等の森林整備に使われているほか、神戸市やたつの市、姫路市では、市役所や農業振興センターといった公共施設の建築に兵庫県産の木材が使用されている。
いま、兵庫県産の木材を使って木造住宅を建てるとお得になる制度も設けられている。『県産木材利用拡大キャンペーン事業』は、新築木造住宅やリフォームに県産木材を一定割合以上使用した場合に、契約した工務店を通じて、最大50万円相当が還元される補助事業。もう1つは、兵庫県の木を一定割合以上使って住宅を新築・リフォームする場合に使える住宅ローン事業の『兵庫県産木材利用木造住宅特別融資制度』(通称:県産木造住宅ローン)。「このローンは金融情勢に左右されない長期固定で、金利も25年間ずっと0.8パーセントと県内トップクラスの低金利」(兵庫県農政環境部林務課の小野寺さん)だという。上乗せ条件等を満たした場合、最大で3200万円の融資が利用可能だ。
『県産木材利用拡大キャンペーン事業』は、ひょうご森づくりサポートセンターのホームページに、『兵庫県産木材利用木造住宅特別融資制度』については「兵庫県 木造住宅ローン」で検索して兵庫県のホームページに入ると、詳細な情報が掲載されている。
「森林を良くする・元気にする」と聞くと、どうしても木を植えることや木を育てることを想像する人も多いだろう。しかし、森林がその機能を十分に発揮するためには、小野寺さんの言うように、「『木を植えて育てて、切って使い、また次の木を育てる』というサイクルを回すこと」が大切。この機会に、兵庫県の森林やその木材の利用について考えてみては。
※ラジオ関西『わたしたちの暮らしと木材』2021年10月24日放送回より
【ひょうご森づくりサポートセンター】
【県産木材を利用した木造住宅(兵庫県産木材利用木造住宅特別融資制度)※兵庫県HPより】