神戸市兵庫区の神戸市中央卸売市場近くに“幕末・明治期の建物”が姿を現した。
兵庫県が整備を進めていた「県立兵庫津(ひょうごのつ)ミュージアム 初代県庁館」で、2021年11月3日(水・祝)にオープンした。兵庫県が誕生した時代を体感できる歴史空間だ。
兵庫津は、大和田泊(おおわだのとまり)と呼ばれた古代から1000年以上の長い歴史を持ち、幕末には開港場となるなど、重要な拠点だった。このことから1868(慶応4)年、この地を中心に兵庫県が誕生した。初代県庁は、江戸時代の大坂町奉行所兵庫勤番所が使われた。
初代県庁館は、旧大坂奉行所兵庫勤番所の建物を現存する絵図などを元に復元したもの。初代知事・伊藤俊介(博文)の執務室や、裁判を行った吟味場(お白州)などが再現されている。複合現実(MR)で伊藤や最後の兵庫奉行・柴田剛中らが登場する15分間のバーチャルツアーもあり、初代県庁舎を舞台に繰り広げられたストーリーを体感できる。
初代県庁舎以外にも、勤番所時代の下級役人である同心の官舎である旧同心屋敷の他、訴訟の取次や取り締まりを行った取次役所などが現代によみがえっている。
犯罪人を短期間拘置するための仮牢は、中に入ることもできる。牢に入れられた気分を味わえる……かもしれない。
また、敷地内には井戸も復元された。使われた石は、現場近くから発掘された江戸時代のものだという。
◆兵庫県立兵庫津ミュージアム 初代県庁館
兵庫県神戸市兵庫区中之島2丁目1番17
開館時間
9:00~17:00(10月~翌3月)
9:00~18:00(4月~9月)
休館日 月曜(祝休日の場合は翌日)・年末年始(12/31・1/1)
入館料 無料
【公式HP】