神戸の“兵庫津”に誕生 「兵庫県のはじまりを知る」ミュージアム

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◆「田辺眞人のラジオレクチャー」

 兵庫県がユニークなのは、廃藩置県(1871年・明治4年)の3年前にあたる1868年(慶応4年)に県ができたことだ。

 1867年、徳川慶喜が「大政奉還」したとき、朝廷は幕府直轄領の天領も返還させ(辞官納地)、まだ藩が残るなか、各地に点在する旧天領を管理する場所を31か所、作った。このうち9つの重要な土地などを管理する場所を「府」 (長崎府、大阪府など)、それ以外を「県」と呼んだ。摂津国と播磨国に散在していた旧天領を管理する役所・県を兵庫津(ひょうごのつ)に置いて、そこを「兵庫県」と名付け、幕府の兵庫勤番所の建物を転用。初代・兵庫県庁が開設された。

 そんな成り立ちを持つ兵庫県に、また1つ、名所が生まれた。11月3日、神戸市営地下鉄海岸線「中央市場前」駅南側に登場したのは、兵庫県設立時の歴史空間を体感できる「初代県庁館」。来年(2022年)にオープンする「ひょうごはじまり館」と合わせて、「兵庫県立兵庫津(ひょうごのつ)ミュージアム」となる。

兵庫県立兵庫津ミュージアム「初代県庁館」入口

 初代県庁館は、兵庫県誕生とともに県庁が置かれた、元の大坂町奉行所管轄の兵庫勤番所の建物を復元したもの。残っていた平面図や絵と、近辺の江戸後期の幕府の建物から情報を合わせて現代によみがえったものだ。

 神戸を映画業界の舞台として売り込んで大成功した神戸フィルムオフィスから「どうせなら時代劇が撮影できるような本物を」という提言も受け、県は東隣に4階建の展示博物館「ひょうごはじまり館」(2022年度下期オープン予定)を作ることになった。

初代県庁

「初代県庁館」の県庁舎には、知事執務室や取り調べをした吟味場(お白州)があり、ゴーグルを着けて初代県知事の伊藤博文らと出会える「バーチャルVISIT!」が体験できる。犯罪人を留置していた仮牢は子どもにも人気。下級の役人が詰めていた同心屋敷は有料で地域の人がグループ活動や交流に使用できる。カフェテリアもあって、入場無料で存分に楽しめる。

 経済力があった兵庫津には、県内で最もレベルの高いお宝、良い建物が集まっていたが、1945(昭和20)年3月の神戸大空襲で95パーセントが焼失。神戸の中心が三宮になり、兵庫津はひっそりとしてしまったが、1991年に地元の人たちが「何とかこの地域を元気に」と県と市に要望書を提出。その後、神戸市営地下鉄に海岸線ができ、イオンモール神戸南も誕生。そして、神戸市が協力して中央市場跡地に「兵庫津ミュージアム」が完成。兵庫の人たちにとって、長い夢が実現した。


◆兵庫県立兵庫津ミュージアム
神戸市兵庫区中之島2丁目1-17
開館時間
 【4月〜9月までの期間】9:00~18:00 ※入館は17:30まで
 【10月〜翌年3月までの期間】9:00~17:00 ※入館は16:30まで
休館日 月曜(祝休日の場合は翌平日)、年末年始(12月31日、1月1日)
入館料 初代県庁館は無料
【公式HP】

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田辺眞人のまっこと!ラジオ | ラジオ関西 | 2021/11/05/金 15:00-16:00

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