女子サッカーのINAC神戸レオネッサで2012年以来、9シーズンぶりにチームを率いて、現在WEリーグの首位に導いている星川敬監督。このたびラジオ番組に出演し、女性アスリートを指導する際のエピソードなどを明かした。
出演したのは、元Jリーガー近藤岳登、タレントの赤﨑夏実、女優で現役女子高生の寺田光の3人が番組パーソナリティーを務めるINAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)11月29日放送回。そのなかで星川監督は、寺田からの10代ならではの質問に気さくに答えた。
最近、母親とけんかをしたという寺田が、「私、今、思春期なんですよね。INAC神戸も女性ばかりのチームですが、メンタルケアってどうしていますか?」と切り出す。
この質問に対し、星川監督は「僕らがお父さんより有利なのは、(選手にとってはサッカーという)好きなことをやっているので、お父さんの言うことよりは聞いてくれている(笑)」とコメント。ただし、「全体的に、自分がやっていることを(周りが)応援してくれることに対して、『うざい』とならないようにした方がいい。なでしこ(ジャパン)に入って活躍した澤穂希さんや大野忍さんたちは、やっぱりお父さんやお母さんのサポートもあったし、(2008年)北京五輪もみんな見に来てくれていた。今、応援してくれているんだったら、いろんなことを話せば(いいと思う)」と、親を尊重する大事さをアドバイスした。
その話に納得しつつも、「(親に)感謝してはいるけど、なかなか素直になれないのが現状ですね……」と、10代ならではの思いも吐露する寺田。「これからは星川監督に相談しよう!」と近藤が話すと、「浜野(まいか)と天野(紗)と仲良くなってほしい! ぜひ! LINEとかで」と、星川監督が同年代のコミュニケーションづくりを逆提案した。
寺田は続く質問で、「周りのJKはみんなダイエットをしだす時期で、大丈夫かなって思うほど食べない。私は食べちゃうんですけど。選手のみなさんはどうやって体型を維持するんですか?」と、アスリートの食について尋ねる。
星川監督は「食育は結構しているが、女子高生の時期に、どんなにいい選手でも1回は太るもの。アスリートでも、5~6kg走っていてもなかなか締まらないなという子もいる。トレーナーと相談して、筋トレと良い食事を(続ける)。筋トレをしないと太りやすい体質になってしまうし、好きなものは食べた方が絶対いい」と、女性特有の成長を理解しつつ、しっかりした食事と運動が重要であることを説いた。
また、指揮官は、最初にINAC神戸を率いた際に高卒でチームに加わった仲田歩夢選手(現、大宮アルディージャVENTUS)を例にあげて、具体的に説明。「仲田選手を獲得したとき、(選手としてのベストな身体になるまで)時間がかかったけど、僕は(特段なにも)言わなかった。もうしょうがない、それは、みんながたどってきた道だから。体質もあり、女性は本当に(トレーニングを)やっていても(締まらない)ということがある。今の仲田選手は、すごくシェイプされていて(いかにも)アスリートという、キレのある感じになっている」。