優美で華やかなデザイン アルフォンス・ミュシャ展 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

優美で華やかなデザイン アルフォンス・ミュシャ展

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 19世紀末から20世紀初頭のベル・エポック(美しき時代)に「アール・ヌーヴォー・スタイル」を作り上げた代表的なアーティストの1人、アルフォンス・ミュシャ(ムハ)の作品を集めた特別展が、神戸市東灘区・六甲アイランドの「神戸ファッション美術館」で開かれている。2022年1月16日(日)まで。

 しなやかな曲線と美しい色彩が特徴のミュシャのデザインは、現在も多くの人を魅了している。会場にはミュシャがデザインしたポスターや装飾パネル、ハガキ、紙幣、ビスケット缶の商品パッケージなど、貴重な作品500点が並ぶ。

 中でも珍しいのは、自筆のデザイン画「黄昏 習作」(1899)。となりに並ぶリトグラフの「黄昏」(1899)と見比べると構図などはほぼ同じだが、女性の表情や手の位置、身に纏うシーツの位置などが違う。ミュシャの制作過程を垣間見ることができる。

 挿絵作家として実績を積んでいたものの、まだまだ無名だったミュシャを一躍有名にしたのが「ジスモンダ」(1895)。大女優サラ・ベルナールの演劇ポスターで、街に貼り出されると評判になった。ベルナール自身もミュシャのデザインを気に入り、専属契約を結んだという。これをきっかけに売れっ子デザイナーになったミュシャは、お菓子のパッケージや紙幣、切手など多彩なデザインを手がけた。

 また、デザインを学ぶ学生の教本として出版された「装飾資料集」「装飾人物集」は、これまで数ページが展示されることはあったというが、すべてのページが展示されている。植物や人物、動物など様々なデザインが収められており、ミュシャの優れた観察力と画力が感じられる。この中からの組み合わせによって生まれた作品もあるのではないかという。

 会場にはミュシャが生きた時代「アール・ヌーヴォー」時代のドレスや民族衣装も展示され、ミュシャのデザインとの「競演」を楽しむことができる。

 また、同館では、2021年6月に「神戸らしいファッション文化を振興する条例」が制定されたことを記念した「神戸・まちのファッションの現在形」も同時開催。神戸を代表する9社のブランドと4教育機関の衣装を紹介している。現代の神戸の街に「ナポレオン」や「乾龍帝」が紛れ込んだとの設定で遊び心いっぱいだ。

神戸ファッション美術館

◆特別展「アール・ヌーヴォーの華 アルフォンス・ミュシャ展」
会期  2021年11月20日(土)~2022年1月16日(日)
休館日 月曜(ただし2022年1月10日は開館)、2022年1月11日、年末年始(12月29日~1月3日)
会場  神戸ファッション美術館(神戸市東灘区向洋町中2-9-1)
観覧料 一般1000円、65歳以上・大学生500円、高校生以下無料
※同時開催 ドレスコレクション展「神戸、まちのファッションの現在形」
【公式HP】

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