馬はおくびょうで繊細な面も持ちますが、とても優しくて穏やかな動物のため、昔から人間の身近なパートナーとして信頼関係を築き親しまれてきました。しかし現代の日本では乗用馬の生産が少ないうえに、子ども向けの馬の調教技術も広まっておらず、乗馬クラブも決して多くはありません。近年では競走馬としての活躍が多い馬ですが、馬との関わりが心身両面へのセラピー効果につながるとして、身体に障がいを持つ方へのリハビリや発達障がいを持つ子どもたちの支援といった、ホースセラピーも注目されています。上迫さんによると、馬との触れ合いが子どもたちの「やさしい心」「おもいやりの心」「尊ぶ心」という3つの心を育み、体幹を中心とした身体能力・コミュニケーション能力の向上などにも非常に効果的とのことです。
ペピーズホースフィールドでは、こども園や小学校への出張乗馬を実施していたり、夏には「夏休み子ども乗馬キャンプ」も開催したりしています。キャンプでは乗馬はもちろん、馬のお世話や川遊び、バーベキューに野外活動など、自然があふれる伊賀の里山で思いっきり馬との遊びを楽しむことができます。大自然の中でゆったりと落ち着いた馬の心に寄り添い、理性的に臨機応変に接することを学び、乗馬指導を通して心の指導に取り組んでいきたい、と語る上迫さん。そんなペピーズホースフィールドのYouTubeチャンネルやInstagramでは、馬や動物たちのユーモアたっぷりの姿を観ることができます。ぜひ、癒されたい時にご覧になってみてはいかがでしょうか。
◆上迫 直生(ペピーズホースフィールド/代表)
高校時代から馬に携わり、卒業後は北海道の競走馬育成牧場に勤務。 「馬とともに子どもたちの幸せな未来のため、力を尽くしたい」と、 23歳の時に熊本の乗馬クラブで、子どもの乗馬、障がい者乗馬の指導に転身。以降、乗馬指導の傍ら、子ども向けの安全で安心な馬の トレーニングに力を注ぐ。 30歳の時に現在の場所で、「こども専門」 乗馬クラブ「ペピーズホースフィールド」を開業。現在39歳、3児の父。
(取材・文=ししまる555)