健康的な生活をサポートする成分が多く含まれていると言われる豆乳。健康志向が高まっている昨今、豆乳市場の売り上げが伸びているそうです。ただ、一つだけ難点があって……豆乳を注ぐときにドポドポと勢いよく出てしまい、うまく注ぐことができないのです。注ぎ方にコツがあるのでしょうか。多くの豆乳商品を製造販売している、マルサンアイ株式会社(愛知県岡崎市)の浅野悦子さんに聞きます。
「できるだけ注ぎ口から空気が入るように注ぎ口を大きくしていますが、豆乳自体で注ぎ口をふさぐような状態になってしまうとスムーズに出ません。通常は注ぎ口を下側にしてパックを持つと思いますが、注ぎ口の位置を下側ではなく上側にすることにより、空気が入りやすくなってスムーズに注げるようになります」(浅野さん)。
マルサンアイ株式会社の公式YouTubeチャンネルでは、注ぎ方の解説動画(タイトル「1L豆乳 注ぎ方」)が公開されていました。こうした注ぎ方は以前、テレビ番組で取り上げられた際に多くの反響があり、また、別のタイミングにSNSで取り上げたときにもたくさんのコメントが寄せられたそうです。実は、パッケージの裏にも注ぎ方のポイントが書かれているということでしたので確認してみると……確かに、解説図付きでわかりやすく書いてありました。
そこでもう一つ、長年の疑問であった「豆乳の容器は、どうして牛乳の容器のようにしないのか」についても聞いてみました。「現在、弊社製品に使用しております容器は、TBA(テトラブリックアセプティック)という種類の容器を採用しており、未開封であれば常温で長期保存ができます。しかしながら、牛乳パックは容器の構造が違い、常温で長期間保存ができない製品が多く、冷蔵での流通となります。弊社では、保存性及び流通なども考慮し、現在のような形状のものを製造しております」。なるほど、長期保存のための形状だったようです。
では、牛乳は買ってすぐに冷蔵しますが、豆乳は冷蔵保存しなくても大丈夫なのでしょうか。浅野さんいわく、「完全密封の容器に無菌充填してありますので、未開封であれば、パックの中身が腐敗するようなことはありません。冷蔵庫に入れなくても大丈夫です」。これは心強いですね! ただし、温度が高くなると風味が劣化するので、直射日光を避けて、できるだけ涼しい場所に保存するのをお勧めされています。
浅野さんによると、コロナ禍の巣ごもり需要で、豆乳を使って家で料理する方も多いようです。料理に使用する際も、こぼさないように注ぎ口の位置を上側にして注いでくださいね。
(取材・文=バンク北川/放送作家)