SNSでインテリアについて見ているとき、ある1枚の写真が目に止まりました。それは収納術として紹介されていたのですが、薄型のレンジフードの平坦な部分に物が置かれている1枚。確かに物を置けるスペースはありますが、あの場所って物を置いていいの……? この疑問を解消するため、住宅設備機器の製造・販売を行うタカラスタンダード(大阪市城東区)の担当者に聞いてみました。
少し前までレンジフードはブーツ型と呼ばれたりする、でっぱりがあるようなものが一般的でした。タカラスタンダードでは薄型のレンジフードを1998年の春から販売しているそうです。
「技術的な問題で、昔は中に見えるファンが縦になっており、それを隠すためにブーツ型にならざるをえなかったんです。しかし、技術の進歩によりファンが横向きでも排気性能が確保できるようになり、各社が平坦な薄いフォルムのものを販売し始めたというような流れがあります。現在、当社では価格帯が違う5タイプのレンジフードを販売しておりますが、5タイプ中4タイプは薄型の平坦なタイプとなっております」(担当者)
平坦な部分の上に物を置いてもいいのか聞くと、「置きたくなる気持ちはわかりますが……レンジフードの上に物は置かないでほしいです」という返答。担当者は「取り扱い説明書にも『フードの天面部には、物を載せないでください』と記載しています。フード部の落下およびものの落下により、ケガや破損のおそれがあるからです」と続けます。
レンジフードに引っ掛けるようなフックが100円均一などでも売られていますが、コンロ周りは高温になるので引っ掛ける際は木べらなどの可燃物はやめておいた方がいいそうです。可燃物でないもの、例えばステンレスなどであれば引っ掛けても問題ないとのこと。
「収納でいいますと、弊社が販売するキッチンパネルは金属製のため、壁面にマグネットがつけられるようになっています。様々なマグネット小物を販売しており、金属製と樹脂製の2種類があるのですが、コンロのすぐ前や横の壁面につけるのは金属製の方であれば使用可能です。さらに、そこに置くものは金属製のお玉やガラス瓶など不燃のものを推奨しています。樹脂製の小物置きは可燃物なので、基本的にはコンロの前も横も使用を禁止しています。コンロと隣のシンクの間に壁があるような場合に、そこに設置するようにしてください」
これから大掃除の時期、レンジフードの中についているフィルターのお手入れ方法についても聞きました。
「中性洗剤を溶かしたぬるま湯の中に浸しておいてから、樹脂製タワシで汚れを落としてください。フィルター部分に取り付ける使い捨ての不織布フィルターがスーパーやホームセンターなどで販売されていますが、吸い込む力が落ちてしまうのでお勧めはしていません。油汚れがついたら不織布フィルターだけを付け替えれば済むということで使われている方もいますが、自己判断でお願いします。フィルターは本来、大掃除のときだけでなく1か月に1度を目安にお手入れを行った方がいいですよ」