神戸市とラジオ関西(神戸市中央区)は21日、高齢者の社会参加の機会を増やそうと、事業連携協定を結んだ。
神戸市が8月に実施したアンケート調査では、コロナ禍で外出・交流の機会が減り、高齢者のフレイル(年齢とともに筋力や認知機能が低くなっている状態)が進行していることがわかっている。市とラジオ関西の両者は、様々な啓発や情報発信で協力する。
今回の協定では、ラジオ関西が地元に根ざしたラジオ局として高齢者によく聴かれていること、また、60代以上のパーソナリティーが多いことなどの特性を生かし、同社の番組内やCMで、高齢者に向けた情報を発信。そして、高齢者の社会参加に対する意識や頻度などを調査する。得られた情報は市と共有し、効率的な広報を目指す。
21日に行われた締結式で、ラジオ関西の桃田武司代表取締役社長は、「シニア層との強いつながりを活用し、市のお役に立ちたい。デジタルにも発信の幅を広げていて、放送のみならず、新しい社会インフラとして取り組んでいく」とコメント。また、神戸市の森下貴浩福祉局長は、「高齢者の生活実態に即した、正確・タイムリーな情報提供は難しい。市の高齢者施策を進める際の、広報・啓発手段の新たな発掘につなげたい」と期待を寄せた。