注文が殺到して、会議室や駐車場を、ナタデココの生産場所に変えるほどでした。ピーク時には、売り上げが約60億円にもなりました。一方、ブームが終わるのも早かったのですが……。
――なぜそれほど流行したのでしょうか?
ここ最近でもタピオカやマリトッツォがブームとなりましたが、タピオカなら台湾、マリトッツォならイタリアですが、こうした世界の独特な語感の未知のスイーツはブームになりやすいのではないかと思います。当時も「フィリピンのデザート? ナタデココ? 何それ?」と興味を持たれて広まったのではないでしょうか。
――ズバリ、またナタデココブームは来ますか?
平成から令和に変わるタイミングで、社内でも平成のものを見直してみたんです。そこで、ナタデココにも注目したのですが、ブームは来ませんでしたね……(笑)。
ただ、最近レトロブームが来ていますし、ナタデココは食物繊維が豊富でカロリーも低く、かみ応えがあって腹持ちもいいので、女性に喜ばれる要素がたっぷりです。当時とはまた違った切り口でブームになる可能性はあるかもしれませんね。
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ナタデココの一大ブームが去ってしばらくですが、フジッコでは、現在でもナタデココを使用したフルーツゼリー「フルーツセラピー」が販売されていて、まもなく20周年を迎えるほど愛され続けているそう。女性に喜ばれる要素がたっぷりなのも大きいかもしれませんね。2022年にナタデココブームがまた到来するのか、注目したいです。
(取材・文=Lovelys)