大阪・新世界のシンボル「通天閣」(大阪市浪速区恵美須東)で年末に行われる恒例行事「干支(えと)の引き継ぎ式」。今年は動画サイト・YouTube(ユーチューブ)で27日に公開された。
1956(昭和31)年から続く「干支の引継ぎ式」は、その年と翌年の干支にちなんだ動物が実際にステージで対面して世相を踏まえたダジャレの『口上』が披露され、観客の笑いを誘う関西の年の瀬の風物詩。今年で66回目となる。(※記事中の画像はすべて通天閣観光提供)
新型コロナウイルス感染状況と、参加者や関係者の感染予防と安全を考慮し、昨年は地下1階・わくわくランドステージでのイベントは中止となり、『口上』のみを公式サイトで発表したが、今年は例年とは少し変わった趣で、天王寺動物園・トラ舎前で「干支の引き継ぎ式」を開催(12月23日に撮影)。『口上』をYouTube動画で27日から公開。バックでは実物のトラがまさに「虎視眈々(こしたんたん)」と新年の飛躍を狙うかのようにたたずんでいる。
今年(丑年)の口上は「ギュウギュウにならないようにと、黙食やマスク会食していたものの、路上飲みも発生してしまうなど、ギュウくつ(窮屈)な一年」と天王寺動物園・向井 猛園長とが振り返り、来年(寅年)の口上は通天閣観光株式会社・西上雅章会長が「コロナ収束に”トラ”イ!おめで”タイガー”な年に」と読み上げた。口上の様子はYouTubeチャンネル“TsutenkakuTV”で視聴できる(https://www.youtube.com/user/TsutenkakuTV)。
収録を終え、通天閣観光・西上会長は「新型コロナウイルスはなかなか収束せず、コロナに始まりコロナに終わる、厳しい一年だった。やはり景気回復。日本経済が活気づく、勢いのある年に」と期待を寄せ、札幌・円山動物園で猛獣類などの飼育担当、臨床獣医師として18年勤務の後、今年の春に就任した天王寺動物園・向井園長は「お客様と触れ合う機会がなかった今年、(10月に緊急事態宣言が解除され)少し賑わいを取り戻した。今後、より入園者数が増えるよう努力したい。来年はぜひ動物たちに会いに来てほしい」と呼び掛けた。