『ビジネスチャレンジの発掘と提案』をテーマにした大学生のイベント「神戸学生イノベーターズ・グランプリ」(通称「I-1グランプリ」)の最終プレゼンテーション会と表彰式が12月25日に行われた。
「I-1グランプリ」は流通科学大学(神戸市西区)の企画で実施されている課題解決型プログラムで、社会に新しい価値と変革をもたらす人材の育成が目的。毎年、様々な企業と提携して行われるが、今回は株式会社フェリーさんふらわあ(神戸市東灘区)と提携し、「若者向けカジュアルクルーズの提案」をテーマに設定。流通科学大学、兵庫県立大学、神戸芸術工科大学の計3校から35チーム158人が参加し、事前に行われた予選を勝ち抜いた12チームが最終プレゼンテーション会に臨んだ。
当日は12チームが1チームあたり8分間でプレゼンを実施。各チームとも与えられた8分間を駆使し、バリエーションに富んだクルーズのアイデアを提案。株式会社フェリーさんふらわあ代表取締役社長の赤坂光次郎氏と流通科学大学学長の藤井啓吾氏による審査が行われた。
優勝に輝いたチームは「移動しながら楽しめ、旅をサポートするBINGO企画『さんふらわあふなたびんご』」を提案した「栗田ゼミ」。「さんふらわあふなたびんご」とは旅全体がゲームとなった企画で、船内での体験をSNSで共有することをゲームにして、ミッションをクリアしながらビンゴの完成を目指すもの。旅とSNSをうまく連動させたことが評価につながった。栗田ゼミには優勝特典として賞状とトロフィー、賞金3万円のほか、副賞としてフェリーさんふらわあの個室乗船券が贈られた。チームの代表者は、「本格的なプレゼンをしたのは今日が始めてでしたが、アドリブも交えながらプレゼンができました。貴重な場をありがとうございます。優勝できてうれしいです!」と述べ、喜びを爆発させた。
準優勝チームは「海の上の温泉旅館 さんふらわあが温泉宿に」というテーマでプレゼンを行った「flag of hope」。船内の内装を温泉宿仕様にし、ルームウェアで浴衣を選択可能にするなど船内での過ごし方に着目。登壇した3人全員が和装姿で登場するなど視覚にも訴えかけたプレゼンを行った。賞状と賞金2万円、さらには副賞としてフェリーさんふらわあのプライベートベット乗船券を手にした。
3位入賞は「XR(クロスリアリティ)を活用した謎解きフェリーイベント」を提案したチーム「ULT_UM」。XRとは現実世界と仮想世界を融合することで現実にはないものを知覚できる技術の総称。市場規模が増加してきているXRと、近年謎解きが人気だということに着目し、これらを掛け合わせたイベントを考案。謎解きの実例や映像サンプルを交えながらのプレゼンで3位に食い込み、賞状と賞金1万円を獲得した。
惜しくも入賞はならなかったが、特別な評価に値するチームに特別賞が用意され、2チームが選出。阪神・九州間のモーダルシフトを促すための施策を提案したチーム「AMARISU」と、行くだけで楽しめるクルーズ女子会を提案したチーム「ガッツふりかけ」には賞状と副賞のさんふらわあカレーが贈られた。