「(1)年初に贈り物をする習慣は古くからあり、宮中での正月の賜物に関する記述は多い。広く盛んになったのは室町時代で、太刀、金子、硯、酒等さまざまな品物が用いられた。《以下略》(2)近世には、武士は太刀、商人は扇子、医者は丸薬、などと自分の作った物や家業と関係深いものを贈るようになった。《以下略》(3)明治に入っても、年賀の際の簡素で有用な手土産、という性格はひきつがれ、手ぬぐい、略暦などが贈られた。《中略》子どもにこづかいをやる習慣は、一般的には近代以降のものである。」
今の時代、日常で刀は使いませんし、扇も使うことが減りました。時代が進み、生活スタイルが大きく変化するにつれて、お年玉の中身も「物」から「お金」に変化していったようです。
言葉は時代とともに、その意味も使い方も変化します。「ことばコトバ」では、こうした言葉の楽しさを紹介していきます。
(「ことばコトバ」第35回 ラジオ関西アナウンサー・林 真一郎)