「先月急逝した父の育児日記(私を育てた日記)ばかり読んでいる。だからね、育児日記とか保育園の連絡ノートとか、とっておくべきだと思います。のちのち子供の宝物になります、ありがとうお父さん」と、写真付きでTwitterに投稿したのは、岡本かな子さん(@kanakookamoto)。初めて父親になった感動と親心にあふれる育児記録は、約10万いいねを集め話題となりました。
1976年10月、岡本さんが誕生した日からコツコツと書きつづられている言葉一つひとつから、お父さんの深い愛情が伝わってきます。以下、時系列で内容の一部を原文のまま紹介します。
「破水すぐに、分娩室へ運ばれる。小生、眠れぬ夜を過ごす。」
「誕生の報せを聞く。生まれる直前はとにかく五体満足で母子共に健康であれと、それだけを思っていたが、こうしていざ父親になり、一人で家に帰り、祝杯をあげている今も、なんとも妙な気持ちである。初めて父親になった実感というものは、じわじわと自覚するものなのか?」
「当然のことながら、とてもかわいい。さすが我が娘と思いつつ、いくら眺めていても飽きない。」
「クタクタになって病院に行き、かな子の顔を見て、疲れふっとぶ。」
「すくすく育ちつつある!顔がふっくらとしてきた。」
「毎日、洗濯物の山に追われている。おかげで、我々の着るものはみんな、ミルクのにおいがする。」
「ハイハイする!一歩だけだから、ハイかな。」
「歯が生えてきた!上からなのである。ボキャブラリーは今のところ2語。『バイバイ』、『ンマンマ』である。」
「立った!得意げな顔をして、かな子が立った。」
「近頃はごく当たり前の顔をして立ち上がる。そして散歩だが、歩くことさえ出来るのだ!以前は立ち上がった時、『さあ、どうですか、立ちましたよ、誉めてください!』と言わんばかりの顔をしていたのに。」
リプライでは、自分自身の親や子に対する思い出など、多くの共感の声が寄せられました。
「お父様の愛に涙がこぼれました。素敵な贈り物ですね。」
「私も母の書いてくれた保育園の連絡ノートを読むたびに、愛があふれる内容で涙しています。大事な大事な形見です。」
「当たり前なんだけど、親も必死に子育てしていたんだなぁって感じられる言葉たち。」
長くがんを患っていたものの、亡くなる3週間前まで、家族で温泉に行ったり、孫(岡本さんの子ども)たちを動物園に連れて行ってくれたりしていたという、お父さん。「イラストレーターをしている私の仕事を、誰よりも楽しみにしてくれていて、今年刊行を予定している初めての絵本も一番に見てもらいたかったのですが、叶いませんでした。いや、一番に見てくれているんだという気持ちで、より一層心を込めて作ろうと思います」と、岡本さんは語ります。