【ピンチをチャンスに】神戸・南京町のアジア家庭料理店、2度の存続危機を乗り切った術とは… | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【ピンチをチャンスに】神戸・南京町のアジア家庭料理店、2度の存続危機を乗り切った術とは…

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 そのなかで訪れた最大のピンチは、開業して3年目に差し掛かろうとしていた矢先のこと。客足が思うように伸びず、赤字を抱え、店の存続が危ぶまれる事態に。

 それでも「自信を少しずつ取り戻し、夢を持ち始めた女性たちがさらなる自立に向けて前向きにチャレンジできる場を増やしていきたい」という強い思いから、多国籍チャルメラ屋台(手動式の屋台、可動式のキッチンカー)を始めるため、クラウドファンディングでの資金集めに踏み切る。その結果、1か月で300人以上の支援者が集まり、目標金額を達成。新たなチャレンジに飛び込んだことで事業の存続に至った。

「『何が支援者に響いたか?』と問われると、クラウドファンディングをきっかけに、SALAのお客さまから、店のコンセプトや、やりたいことが、ものすごいスピードで周囲に伝播し、支援の輪が広がったことで、“SALAのファン”が増えたからだと思う」

 そんなファンに支えられつつ、順調に客足も伸びてきたと思われたなかで、世間はコロナ禍に。度重なる緊急事態宣言発令などで、売上が大きく減少してしまう。再度訪れた大きなピンチに、黒田さんは決断する。「緊急事態宣言が発令された際には、ランチ・ディナーともに店内営業を休止し、テイクアウトのみでの営業にする」。

 売上はもちろん落ちたという。「ただ、感染リスクを減らしながら、現在の状況が今後当たり前になったときにでも売上を作り出せる“新しい軸”(フードデリバリー、テイクアウト、通販など)が本軸を支える仕組みを作る期間にしたい。通常営業になったら、新しく作り出した事業はプラスアルファとなるので、怖いものはない」。目先のピンチをしのぐのではなく、長期的なチャンスに変えていくことに舵を切った。

 黒田さんは“Empowerment of all people(=国籍も関係なく、男性も女性も、子どもも妊婦さんも、それぞれがそれぞれのお互いの価値を認め合い、自分の価値も認められる社会に)”をモットーに、前を向いてチャレンジを続ける。今後の展望は、「SALAをきっかけに、すべての人々が“Empowerment(=力を発揮する)される社会”を作ること」。黒田さんの飽くなき挑戦はまだまだ続く。

神戸アジアン食堂バル「SALA」代表の黒田尚子さん(中央)、番組パーソナリティーの藤田純(左)と南かおり(右)

※ラジオ関西『ピンチのあとにチャンスあり!』2021年10月22日・29日放送回より

◆神戸アジアン食堂バル「SALA」
【公式HP】

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