コロナ感染者収容、離島から搬送可能 巡視艇「ひめぎく」就役 姫路海上保安部 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

コロナ感染者収容、離島から搬送可能 巡視艇「ひめぎく」就役 姫路海上保安部

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 姫路海上保安部(兵庫県姫路市)所属の新しい巡視艇「ひめぎく」(全長20メートル、総重量26トン)の業務が2022年1月26日、スタートした。

巡視艇「ひめぎく」<※画像提供・姫路海上保安部>
巡視艇「ひめぎく」<※画像提供・姫路海上保安部>

 名前の由来は姫路市の「ひめ」と兵庫県花である野路菊(のじぎく)の「きく」を組み合わせたもの。 これまでにも姫路海上保安部に所属し、 海の安全・安心に貢献してきた。 今回就役した船が3代目。
 先代の「ひめぎく」は3年近く就役したのち、老朽化した関西空港海上保安航空基地(大阪府泉佐野市)の巡視艇「さのゆり」の代替船として、2022年1月に再出発した。

巡視艇「ひめぎく」船内<※画像提供・姫路海上保安部>
巡視艇「ひめぎく」船内<※画像提供・姫路海上保安部>
離島での急患発生時にも収容、搬送可能に<※画像提供・姫路海上保安部>
離島での急患発生時にも収容、搬送可能に<※画像提供・姫路海上保安部>

 姫路海上保安部(加古川海上保安署を含む)の巡視艇は計5隻あるが、新造された「ひめぎく」は、新型コロナウイルス感染症患者などの収容スペースを設けたのが特色。管轄する有人の離島、家島諸島(兵庫県姫路市)などで急患が発生した場合も、スムーズに搬送できる。

 さらに灯標や灯浮標の保守点検の際に、船の側面を他の船や岸壁に寄せて接触する「接舷(せつげん)」による衝撃をやわらげて、相互の損傷を防止するため防舷物(ぼうげんぶつ)を設けた。

巡視艇「ひめぎく」船頭、船尾の2か所(赤色の囲み)に防舷物を取り付けた<※画像提供・姫路海上保安部>
巡視艇「ひめぎく」船頭、船尾の2か所(赤色の囲み)に防舷物を取り付けた<※画像提供・姫路海上保安部>

 海上保安庁によると、2021年度に就役した全長20メートル型の巡視艇には、感染症患者等の搬送に的確に対応するため、新たに感染症患者等を収容できるスペースを確保、現在所有している巡視艇でコロナ感染者に対応したのは、2021年12月に就役した徳山海上保安部(山口県徳山市)の「にじかぜ」、横須賀海上保安部(神奈川県横須賀市)の「はかぜ」と合わせて3隻となる。

姫路海上保安部が管轄する海域 海図中央が家島諸島<※画像提供・姫路海上保安部>
姫路海上保安部が管轄する海域 海図中央が家島諸島<※画像提供・姫路海上保安部>

「ひめぎく」は通常の海上での警備、救難活動にも欠かせない存在となる。広い播磨灘に面する姫路海上保安部の管内で発生した船舶事故・人身事故は2021年、前年に比べて大幅に増加した。船舶事故は41隻(前年比+8隻)。このうちプレジャーボートが31隻と、全体の75%を占めた。新型コロナウイルスの感染防止のため、密になる空間を避けようと屋外のレジャー人口が増えたのが主な要因。人身事故は23人(同+11人) 。また、人身事故に伴う死者・行方不明者は7人と、前年と比較して6人増加している。

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