遊免寛子学芸員は「作風は変わっていくがその中で変わらないものもある。そこも感じ取ってほしい」と述べている。
「た・び・て・ん」では、名所を描いたものや作家だけが知る「隠れた名所」を見ることができる。江戸時代から昭和初期にかけての版画作品では、同じ場所を描いていても、例えば電線が描かれているなどの変化に気づくことができる。また、作家は旅をすることが多く、どのように作品に反映されているかを見るもの楽しい。写生や制作のため訪れた場所を描いた作品は、その後名所になったところもあり、作家の先見の明を感じることができる。
西田桐子学芸員は「日常を離れてどこかへ赴くことが旅ならば、多くの人にとって美術館は『日常から離れることができる場所』ではないか。」と話す。会場で出迎えてくれるのは、映像作品。自分の影が映像作品の中に入りこむ「非日常」を体感し、旅が始まる。また、「今回は久しぶりに展示した作品も多い」という。ここも楽しみの1つだ。
兵庫県立美術館コレクション展Ⅰ「た・び・て・ん」、小企画「生誕100年 元永定正展 -伊賀上野から神戸、そしてニューヨークへ―」は7月3日(日)まで。開館時間は午前10時~午後6時(入場は5時30分まで)休館日は毎週月曜。ただし、3月21日(月・祝)は開館、翌22日(火)が休館。4月11日(月)~22日(金)は一部展示替えのため閉室。また、このほかにも展示替えを行う予定。なお、新型コロナウイルスの拡大状況によっては、時間や入場に関する変更が生じる可能性もある。詳しくは公式サイトで確認できる。問い合わせは、電話番号078-262-1011。
◆兵庫県立美術館
コレクション展Ⅰ「た・び・て・ん」/小企画「生誕100年 元永定正展 -伊賀上野から神戸、そしてニューヨークへ―」
会場 兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1)
会期 2022年1月22日(土)~7月3日(日)
※4月11日(月)~22日(金)は一部展示替えのため閉室。また、このほかにも展示替えを行う予定。
休館日 月曜(ただし3月21日は開館、翌22日は休館)
※新型コロナウイルスの拡大状況によっては、時間や入場に関する変更が生じる可能性あり。
【公式サイト】