最新の技術で解き明かす6人のミイラの物語 「大英博物館ミイラ展」 神戸市立博物館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

最新の技術で解き明かす6人のミイラの物語 「大英博物館ミイラ展」 神戸市立博物館

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

 神戸市立博物館(神戸市中央区)で、特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」が開催されている。イギリス・大英博物館のコレクションから厳選された、職業も性別も年齢も違うミイラ6体の生前の様子を最新の技術で解き明かす。

神戸市立博物館(神戸市中央区)

 今回神戸にやって来たミイラは6体。王家の所領を管理する役人、代々続く名家の神官、既婚の女性、幼い子どもなど様々で、暮らしていた年代も違う。6人がどんな生活を送ってミイラとして残ったのか、CTスキャン画像をもとにした解析と250点に及ぶ遺物から、6人の生と死の物語を紹介する。

 6体のうちの1つは、エジプト南部の都市テーベの役人「アメンイリイレト」。3層による棺や豪華なビーズネットなどの副葬品から、地元の支配層、いわば貴族だったと考えられる。癌や動脈硬化症の痕跡があり35~49歳で死亡したと推定される。きわめて保存状態が良いことから、教科書通りの確かな技術でミイラづくりが行われたとみられている。今展では、内臓を納めるカノポス壺などの道具類も併せて展示し、当時のミイラづくりにも迫る。

 テーベの既婚女性「タケネメト」の内棺の表面には、「神々の前でシストルムという楽器を奏でる姿」が描かれている。音楽に関連する道具や、化粧道具や装身具なども展示する。

 そして、3~5歳で亡くなったとされる子どものミイラ。棺には肖像画が描かれている。子どものミイラが作られるようになったのは、ギリシャとローマの支配者が統治したグレコ・ローマン時代(前332~後395年)とされる。当時の生活の中心は家族だった。展示では、おもちゃや子どもの暮らしも紹介する。

 また、会場の一角に遺跡の一部が登場。2019年に日本エジプト合同調査隊が発見し、現在も調査が続いているサッカラ遺跡のカタコンベ(地下集団墓地)を、実寸大の部分模型で再現した。遺跡の中にいるような発掘現場の臨場感を味わうことができる。

 特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」は2022年5月8日(日)まで。予約優先制。期間中の休館日は、月曜日と3月22日(火)。月曜は通常休館だが、3月21日(月)と5月2日(月)は開館する。詳しくは公式サイトで確認できる。


◆特別展「大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語」
会場:神戸市立博物館(〒650-0034 兵庫県神戸市中央区京町24)
会期:2022年2月5日(土)~5月8日(日)
開館時間:9時30分~ 17時30分(入館は17時まで) ※金・土曜日は19時30分まで開館
 (入館は19時まで)
休館日:月曜・3月22日(火) *ただし3月21日(月)5月2日(月)は開館
※予約優先制
【神戸市立博物館 公式サイト】

LINEで送る

関連記事