しょっぱい関西、甘い関東!「ひなあられ」における地域性とは? | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「ひなあられ」の味 関西と関東でまったく違うって知ってた?「しょっぱいのは…」

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 3月3日は、女の子の健やかな成長を祈ってお祝いをするひな祭りです。ひな人形を飾り、ひなあられを食べるという方も多いのではないでしょうか。実は、この「ひなあられ」には、関西と関東で違いがあることをご存知ですか? 米菓メーカーとして初めてひなあられを商品化した、とよす株式会社(大阪府池田市)営業ECウェブ課の小幡さんに聞きました。

とよす株式会社から発売されているひなあられ。
とよす株式会社から発売されているひなあられ

 ひな祭りは、中国の「上巳(じょうし)の節句」という、桃の花の酒を飲み、桃の葉を使った風呂に入ったりして厄払いをするという行事が日本に伝わったものだといわれています。平安時代には、貴族などの間で、ひな人形で遊んだり川に流し無病息災を願うといったことが行われていたそうです。こういった行事が江戸時代頃から「ひな祭り」として定着し、ひな人形を飾り、お菓子を食べるようになったという説が有力視されています。

 関西では、宮中で女の子が生まれたときに配る「ひっちぎり」というお菓子をヒントに、ひな壇に色とりどりのあられを飾り食べるという習慣が生まれ、これが貴族から武士、庶民へと広がったと言われています。現在でも、関西のひなあられといえば、直径1センチくらいのあられに、しょうゆやエビ、青海苔などの味付けをした、しょっぱいものが主流です。

 一方、関東のひなあられは、米をそのままの形で膨らませて食紅などでピンクや緑などの色をつけた、甘いものが主流です。いわゆるポン菓子のようなもので、こちらは江戸の庶民の間で流行した「爆米(ハゼ)」という、うるち米を原料にしたお菓子が元になったといわれています。

とよす株式会社から発売されているひなあられ
とよす株式会社から発売されているひなあられ

 ちなみに、関西風のひなあられによく入っている「チョコレートをコーティングしたひなあられ」を日本で初めて開発したのも、とよす株式会社なのだそう。まだチョコレートが特別なお菓子だった1960年代のはじめ、おかきの新しい可能性を探る中で「甘い×しょっぱい」という当時では珍しい組み合わせが考案されました。

 当時の製造の担当者は、大阪のチョコレート会社であられにチョコレートをコーティングする方法を学んだそうです。小幡さんによると「チョコレートをかけたものは人気があり、家族で取り合いになるというお客様もいらっしゃいます」ということで、現在ではこの「チョコがけ」だけを詰めた商品も発売しているのだとか。

「家族で取り合いになったから…」 チョコレートをかけたひなあられだけを詰めた商品も
「家族で取り合いになったから…」 チョコレートをかけたひなあられだけを詰めた商品も

 同じ名前でも、地域によって味も見た目も違う「ひなあられ」。食べ比べてみると、その歴史の違いまで味わえるかもしれません。

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