ワインと漆器のまち、長野県塩尻市。この街にある標高1,305メートルの霧訪山(きりとうやま)が、最近、話題を呼んでいる。
塩尻市と上伊那郡辰野町の境にある霧訪山は、標高が低いこともあり、冬でも登山を楽しむことができる里山。登山のコースも、「かっとりコース」「中央分水嶺コース」「下西条コース」と呼ばれる3つに分かれ、登山口から山頂までは約1時間10分で到達できるそう。山登りに慣れていない人でも気軽にチャレンジしやすい山だ。
霧訪山は、昨年11月に長野県山岳総合センターが行ったアンケート、信州にある日帰りで登ることができるおすすめの里山を選ぶ「信州の里山・総選挙!(冬山編)」で、70の山々のなかから、1位に選ばれた。また、1930年創刊の登山系雑誌「山と渓谷」(山と溪谷社)2021年11月号の特集「全国絶景低山50選」にも紹介されている。さらに、YouTubeでチャンネル登録者数20万人を超える人気の登山系ユーチューバー・かほさんの「かほの登山日記」チャンネルでも取り上げられ、数多く視聴されている。
そんな霧訪山ついて、「山頂にたどり着くと、北・南・中央アルプス、八ヶ岳と、360度、あたりを見渡すことができるパノラマが絶景です」と魅力を語るのは、塩尻市観光課の坂田孝一さん。太平洋に流れる水と日本海に流れる水を分ける分水嶺にもなっているため、一説には日本の中心地、「日本のへそ」とも呼ぶ声もあるようだ。
地元でも親しまれている霧訪山を歩くと、その登山途中に、地元の中学生たちが手書きで作った“あと何メートルかが書かれた標識”が100メートルごとに設置されているほか、地元の山友会が作った避難小屋なども用意されている。