《東日本大震災11年》「もう、福島に住むことは…」あの時10歳の少女は今、関西で何を思う | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《東日本大震災11年》「もう、福島に住むことは…」あの時10歳の少女は今、関西で何を思う

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 あれから11年経ち、被災した現実から逃避しているのではなく、人生の半分を過ごす関西の地も愛着が湧いてきた。大好きな宝塚歌劇が身近な存在になり、観劇に行くことも多い。中学や高校、大学でできた友人に囲まれ、これからの人生を豊かにしてくれると思うようになった。「もう、福島に住むことはないのかな」。そう思うこともある。

 ふとした時、放射能の被曝さえしなければ、一生思い込むことはなかったのにと思うことがある。年に1回、甲状腺検査と血液検査を受けているが、これから先、放射能の影響で外で遊べない、自由がない、背負わなくても良かった十字架を背負うことがないように、自ら語ることで何を残して行くのかが大事だと思っている。

小林茉莉子さん「娘の体を気遣い、寄り添ってくれたことに感謝」
小林茉莉子さん「娘の体を気遣い、寄り添ってくれたことに感謝」

■ウクライナ軍事侵攻で「また原発が…」

 ウクライナに軍事侵攻したロシア軍は、原子力発電所や核関連施設まで攻撃の対象としている。4日にウクライナ南部のザポロジエ原発を砲撃、制圧したことで、非難の声が世界に広がった。1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故で広く汚染されたヨーロッパでは特に敏感に反応した。
 小林さんもつぶやいた。「また原発が…」。子どもたちが一生不安を抱えて生きて行くのかと思うと、ただただ悲しい気持ちになったという。

ロシア軍は4日、ウクライナ南部のザポロジエ原発を攻撃 反戦集会で抗議の声が上がった(2022年3月5日・大阪駅前)
ロシア軍は4日、ウクライナ南部のザポロジエ原発を攻撃 反戦集会で抗議の声が上がった(2022年3月5日・大阪駅前)
「災害、戦争から子どもたちを守りたい」(2022年3月5日・大阪駅前)
「災害、戦争から子どもたちを守りたい」(2022年3月5日・大阪駅前)

 一緒に避難した母親の存在も大きかった。父親を故郷・福島に残して京都へ。震災がなければ、ずっと福島にいたはずだが、幼い娘の健康のことを考え、いままでの生活をすべて捨てて、寄り添ってくれていることを感謝している。

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