兵庫県や兵庫県警、金融機関などが一体となり、特殊詐欺の根絶に向け協力する、「ストップ!ATMでの携帯電話」運動の共同宣言式が、15日、兵庫県公館であった。ATM周辺での利用者への呼びかけなど、水際対策の周知徹底を図る。
昨年(2021年)、還付金詐欺やオレオレ詐欺など特殊詐欺の認知件数は859件で、前年と比較するとマイナス168件。被害総額は約11億6,000万円で、マイナス約5億3,000万円といずれも減少しているが、1件当たりの被害額が増える傾向にある。 地域別に見ると、被害の約8割が阪神間と神戸市内に集中している。
斎藤元彦・知事に代わって挨拶した、片山安孝・副知事は「特殊詐欺の最初のアプローチは固定電話だ」と強調。県は、2023年(令和4)年度の当初予算に、自動録音電話機の普及・促進のため1,365万円を計上しており、「特殊詐欺被害の撲殺を目指す」(片山副知事)とした。
種部滋康・兵庫県警本部長は、「高齢者をATMに誘導して携帯電話で通話しながら操作させる、こうした還付金詐欺は増加傾向にある。還付金はATMでは絶対に戻らない。『ATMでの携帯電話の通話をしない・させない』ことを社会のルールとして定着させることが重要だ」と述べた。
今後は、金融機関のATMの周辺で、歌手で女優の西田ひかるさんや、県立小野高校の放送部が注意を喚起する音声を流す。また、ATMの足元にステッカーを貼ったり、ポスターを張ったりすることで対策の周知を図る。