では、「ととのう」状態に至るまで、体の中ではどのような変化が起こるのでしょうか。
日本サウナ学会代表理事を務める加藤容崇氏(慶応義塾大学医学部特任助教)の著書『医者が教えるサウナの教科書 ―ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?―』(ダイヤモンド社、2020年)での解説をもとに、なんちゃんさんが時系列でまとめてくれました。
1)サウナで温まることでリラックスして、副交感神経が優位になる。
2)体が熱を帯びるにつれ交感神経が活発になり、血中のアドレナリンの濃度が上がる。
3)交感神経が最高に活性化したところで水風呂に入ると、その冷たさにより交感神経が活発になる。
4)外気浴で緊張から解放され、副交感神経が優位になる。
5)交感神経から副交感神経へ切り替わる速度に体が追い付けず、血中にアドレナリンが残っている状態になる。
つまり、水風呂から出た後、「副交感神経によるリラックス」と「アドレナリンによる興奮」が共存する段階が「ととのった」状態……とされるのだそうです。サウナならではの“境地”と言えそうですね。
「ととのう」以外にも、サウナには「肉体的な健康と精神的な健康の両方に役に立つ」「年齢、性別を問わず、楽しみながら体と心を整えることができる」「美肌効果などが期待できる」など、多くの魅力があるとなんちゃんさんは話します。まずは「ととのう」感覚を味わいに、サウナをお試しになるのはいかがでしょうか。
(取材・文=菊地朋美)
※1 サウナ伝道師なんちゃん『サウナ伝道師なんちゃんのサウナゼミナール ~健康で充実した人生を送れるサウナの楽しみ方~』(ギャラクシーブックス、2022年)
◆サウナ伝道師なんちゃん
サウナの魅力にはまって28年。サウナを楽しむためのあらゆることを体験・研究し、「肉体と精神をととのえるサウナ伝道師」としてサウナの素晴らしさを伝える活動を行っている。また、「『月刊サウナ』大阪特派員」としても活動中。サウナ・スパ健康アドバイザー、サウナ・スパプロフェッショナル管理士の資格も持つ。
※サウナへお出かけの際は、施設の指示に従って新型コロナ感染予防対策にご協力のうえお楽しみください。