例えば「シウマイ弁当の筍煮」は姫路名物えきそばの出汁で炊いた「拍子木切り筍煮」に。「鶏の唐揚げ」は「鶏のあご出汁唐揚げ」に。「鮪(まぐろ)の漬け焼」は「鯖(さば)の幽庵焼(ゆうあんやき)」に。「玉子焼き」は関西風「出し巻玉子」に。といったように横浜・崎陽軒の「シウマイ弁当」と食べ比べてみたくなる内容に仕上がっている。
また、容器には経木(きょうぎ)の折を使用するなど、崎陽軒の”冷めてもおいしい”ことへのこだわりもしっかり継承している。
関東風、関西風で味に違いがあることは言わずと知れた日本の食文化。「シウマイ弁当」が関西風に変身、盛り付けも含めて、”似て非なるもの”というのがまねき食品の信条。それぞれのパッケージデザインも趣向を凝らした。崎陽軒のシウマイ弁当のパッケージはイエローだが、まねき食品の関西シウマイ弁当はオレンジ。
水晶玉のデザインに映る風景は、関西シウマイ弁当は姫路城や明石海峡大橋、神戸・ポートタワー、通天閣などのシルエットに(崎陽軒のシウマイ弁当は横浜ランドマークタワーやベイブリッジ)。そして水晶玉に寄り添う動物は、崎陽軒は”龍”で、まねき食品は”虎”に。”龍虎(りゅうこ)”は、互いに優劣なく力の伯仲した英雄を表す。
まねき食品・営業第一部長、岩本健司さんは「関西シウマイ弁当」効果について、「兵庫県外からはるばる姫路駅へ、お弁当だけを目当てに来ていただく方も多くなった」と話す。
まねき食品では、姫路本社前のドライブスルーでも「関西シウマイ弁当」を販売している。他府県ナンバー、特に大阪ナンバーの車で多くの人が駆け付けるという人気ぶり。ただ数量を限定しているだけに、“売り切れ御免”となると、遠方から来ていただいているのに申し訳ない気持ちになったという。