女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサに所属するDF守屋都弥(もりや・みやび)選手が、21日放送のラジオ番組に出演し、過去のエピソードを交えながらサッカーへの思いを語った。
奈良県出身の守屋選手は、中高時代の6年間を、サッカーエリートを養成するJFAアカデミー福島で過ごし、2015年にINAC神戸の一員に。途中、けがで長期離脱を強いられる期間もあったが、スピードとサッカーセンスの高さを持ち味に、主にサイドやセンターバックなど、守備のオールラウンダーとして活躍している。
WEリーグ初年度となる今シーズン、前半戦はチーム事情でスーパーサブの位置付けとなり、悔しい思いもしてきたが、後半戦に入り、3試合連続先発出場。安定した守備だけでなく、攻撃でも時に敵陣深くまで攻め込むなど、徐々に存在感を高めている。19日のマイナビ仙台レディース戦でも、右ウイングバックを担当し、1-0の完封勝利に貢献した。
ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)の3月21日放送回で、新コーナー『ガクトとなっちゃんが選ぶ前節MVP!』に選ばれた守屋選手は、同番組に電話出演。番組パーソナリティーの近藤岳登(元Jリーガー)、赤﨑夏実、寺田光とトークを展開した。
マイナビ仙台戦の振り返りなどを近藤らとトーク後、現役女子高生の寺田から「サッカーってずっと好きでしたか?」という質問が寄せられる。「中学2年生くらいのときに1回やめようと思いました」と吐露した守屋選手は、「そのときはJFAアカデミー福島にいたのですが、自分自身が楽しめてなくて……。(地元の)奈良に帰ろうかと思いました」と、一時は挫折しかけたという。しかし、「ふと考えたときに、奈良にあまり(女子サッカーの)チームがないなと。奈良に帰ってやることがない=暇になる、というのは違うなと思って『まあ、頑張るか』となった」と、気持ちを一新。再びJFAアカデミー福島で鍛錬に励むことになった。
その直後、2011年に東日本大震災で被災。JFAアカデミー福島の拠点・Jヴィレッジが原発対策の拠点となったこともあって活動ができなくなり、静岡県に一時移転することに。チーム、そして自身も大変な思いを経験したが、それでも「震災で、静岡に行ってキャンプを整えてもらって『やっぱりもっと頑張んなきゃな』と思いました」と守屋選手。今も、サッカーができる幸せを胸にプレーを続けている。
そんな守屋選手は、「サッカーを好きでい続ける一番の理由は?」との質問に、「やっぱり『喜び』ですよね!」と回答。「チームメイトが惜しいシュートを打っても『うわー惜しい!!』となったり、(頑張っている姿が)うれしいですし、ナイス(なプレー)を連発したら心からうれしい!」と、仲間とサッカーをする喜びが充実感につながっていることを明かした。
最後に守屋選手は、ファン・サポーターへのメッセージとして、「この(コロナ禍の)時期で、スタジアム来ることを迷われる方も多いと思いますが、その中でマイナビ戦にも来てくださって本当に感謝しています。まだまだ試合が続くので、これからもリモートだったりスタジアムにきてくださったりで、応援よろしくお願いします!」と締めくくった。