兵庫県の北部に位置する人口約2万人弱の福崎町では、昨年10月より月に1回のペースで、食をテーマにしたイベント「FukuFes.」が行われている。
「すべての方に福を届ける」をコンセプトにスタートした「FukuFes.」。「阿波尾鶏」(徳島)や「藁焼きカツオのたたき」(高知)、「骨付鶏」(香川)、「ぶひ丼」(愛媛)など、四国を中心としたキッチンカーなどのお店が一堂に会する。今年2月開催予定だった第4回こそ新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止を余儀なくされたが、これまで4回にわたって行われ、現在では、約4000食規模のイベントに発展している。
「新型コロナでなかなか遠出できない地域の方に、旅行気分を味わっていただいたり、コミュニケーションが減少して孤独を感じる方の気持ちの緩和だったりになればいいなと思い、開催を決めました」と話すのは、イベントを運営する「RAPPORT.」の藤尾勇典代表。福崎町で育って「地域に何か恩返しをしたい」という思いで「FukuFes.」開催にこぎつけたそう。
JR播但線「福崎」駅前の広場で3月19日から3日間にわたって開催された第5回からは、「土日働いてイベントに来られない企業の方々にも感謝を届けたい」と、会場から配達する社会実験も実施。地元・福崎のデリバリー業者「新栄デリバリー」と提携して、あらかじめ企業から予約されたイベント出店者のメニューを、デリバリーに掛かる手数料を運営負担として、会場外にも送り届けた。このような対応は、関西のイベントでは異例のことだという。
“この地域で働いて良かった”と思える人々を増やしたいと、次回からはデリバリー先の企業の数を5社に増やす予定。「地域の企業との信頼を作り、その先は来場する若者とコミュニティーを作り、働く選択肢を伝え、町で起業家を増やす活動も予定している」と藤尾さん。今後の活動にも注目だ。
なお、次回、第6回「FukuFes.」は4月23日(土)と24日(日)の開催を予定。詳細はイベントの公式Instagramに掲載される。
◆「FukuFes.」
【公式Instagram】