脳卒中を引き起こすかもしれない「隠れ高血圧」とは? 血圧と脳卒中の深い関係性について 医師に聞く | ラジトピ ラジオ関西トピックス

脳卒中を引き起こすかもしれない「隠れ高血圧」とは? 血圧と脳卒中の深い関係性について 医師に聞く

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 さまざまな要因によって引き起こされる脳卒中。実は、血圧とも深い関係性があることをご存知でしょうか? なかでも、脳卒中の発症リスクが高いとされている“隠れ高血圧”と、その早期発見方法について、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の吉田泰久院長に詳しく聞きました。

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――高血圧というのは、数字的にはどのくらいからを指すのでしょうか?
万国共通の基準として、上が140、下が90を超えた場合を高血圧といいます。

――では、その数値内であれば問題ないと考えてもよいのでしょうか?
いえ、これは限界値となっており、上が120、下が80を下回った場合にようやく「安全である」と言えます。そのため、限界値をギリギリ下回っていたとしても危険な状態なのです。

――朝に急激に血圧が上がる現象があるのですよね?
はい、これは“隠れ高血圧”と呼ばれており、病院で血圧を測定した時には限界値を超えていないけれど、本来であれば血圧が上がることの少ない明け方から起床時にかけて、血圧が急上昇してしまう人のことを指します。この“隠れ高血圧”は「モーニングサージ」とも呼ばれています。「モーニングサージ」の方の特徴の1つに、朝の目覚めがはっきりしている、という点があります。

――「モーニングサージ」の方は、脳卒中の発症リスクが高くなるのでしょうか?
そうですね、発症リスクは普段から高血圧な方と変わらないといわれています。

――「モーニングサージ」を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?
朝一の血圧を測定していただくと、ご自身が「モーニングサージ」であるかどうかが分かります。起床時の血圧が、日中病院などで測定した時よりも高い場合には「モーニングサージ」である可能性が高いといえます。

――夜間に血圧を測定する場合、何時ごろが適切なのでしょうか?
入浴後は通常よりも低い数値が出てしまう可能性が高いため、入浴後を避けていただければ、どのタイミングで測定いただいても問題ありません。定期的に測定したい場合は、就寝前がいいかもしれませんね。

――血圧の上下の数値差が大きい場合と小さい場合では、どのような違いがあるのでしょうか?
一般的に、加齢とともに上下の数値差は大きくなっていきます。これは年齢を重ねるごとに、血管がかたくなることが原因となっており、ご高齢の方ほど上の血圧がどんどん上昇してしまう傾向にあります。また、上の血圧のみを気にしている方が多いのですが、下の血圧についても同様に気をつけていただきたいのです。

たとえば、若い方のなかには、上の血圧が正常値であっても下の数値が100を超えている場合などがあり、こういったケースも非常に危険とされています。そのため、年齢を問わず、上は135、下は85あたりになるよう意識していただければと思います。

◆吉田泰久 社会医療法人榮昌会 吉田病院 / 理事長兼院長 /
1952年12月の開設以来70年近くにわたり、神戸市の救急医療のなかでも脳卒中患者の診療を主に担い、急性期から回復期、在宅まで一貫した脳卒中治療を提供している。
診療科は、脳神経外科、脳神経内科、内科、循環器内科、リハビリテーション科

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